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「開拓使官有物」というのは、開拓使が持っている土地や施設のことです。
(官有物=国家が持っている物、施設)
「開拓使」は、明治政府の、北海道を開拓する機関。
「払い下げ」は、国が所有する物を、民間に売ることです。
開拓長官だった黒田清隆が、開拓使官有物を安く払い下げようとしたところ、国民の激しい批判を受けて、払い下げを中止した...というのが、「北海道開拓使官有物払い下げ事件」です。
当時の日本は、北海道の開拓に力を入れていましたが、膨大な予算をかけたわりに、開拓はなかなか進みませんでした。
そこで、明治政府は開拓使を廃止することを決めます。
開拓を続けたい開拓長官の黒田清隆は、部下を退職させて企業を作り、そこで開拓事業を続けようとしました。
そのために、開拓に必要な開拓使の施設・設備(開拓使官有物)を、その企業に安く払い下げることを決めました。
それが新聞記事になり、国民の批判が殺到することになります。
なぜ、国民が激怒したかというと。
まず、払い下げる額が、ものすごく安かったということ。
開拓使の施設や設備は、政府の持ち物ですから、もとは税金で作られたものですよね。
当時のお金で1400万以上かけて作った物を、39万円で売ろうとしていたんです。
(現在の価値でいうと、3000億かけて作ったものを、90億そこそこで売る、ということです)
さらに、開拓使官有物の払い下げる企業にはお金がなかったため、一旦、五代友厚というビジネスマンに、無利子の30年ローンという、破格の待遇で払い下げようとしていたことも、問題になりました。
この五代という人、黒田とは同じ薩摩藩の出身で、友人なんですね。
そのため、
「黒田は、俺らが納めた税金で買ったもんを、友達に安く売るつもりだ!!」
...と、思われたんです。
高まる批判の声に、政府は、払い下げも中止せざるを得ませんでした。
黒田は開拓長官をやめ、開拓使も廃止されました。
(ちなみに、新聞に記事が載ったのは、払い下げに反対していた「大隈重信」が情報を流したせいだ!と考えた伊藤博文・黒田清隆らは、明治十四年の政変で、大隈を失脚させています)
とても分かり易いです!
モヤモヤが解決しましたありがとうございます😊