✨ ベストアンサー ✨
✳️分力の意味とこの問題の解説
そもそも、「分力」という言葉は、重力や弾性力のように力の一種のような感じがしますが、そうではありません。物体は斜面にそって運動するので、物体の運動について考えたいときには、向きがバラバラであるよりはその運動方向や運動方向に垂直な方向について考えた方が考えやすくなります。今は感覚がわからないかもしれませんが、高校になると「この運動が何秒後にどのくらいの速さでどこにいるのか」などを実験しなくてもわかるようにするために、式をたてて考えるようになります。このときに力がバラバラの向きを向いていると非常に考えにくいです。だから、重力は運動方向の「斜面に平行な方向」と「斜面に垂直な方向」にわけて考えます。いわば、下向きの重力を仮想的に、考えやすくしようと無理矢理2つの力に分けたというのが「分力」です。
だから、もしイやエに斜面に垂直な分力が書いてあれば下向きの重力を無理矢理2つにわけたあとの図になので正解になりますが、これだけだと力が足りていません。アは、今までの説明からわかると思いますが、重力も分力も書いてあるのは意味不明です。よってウです。
とても分かりやすい説明ありがとうございます!!
フォローさせて頂きました!
✳️物体にはたらく力の考え方
まず、力には他の物体と触れることによっておこる接触力と触れなくてもおこる場の力があります。前者の代表例はバネの弾性力や糸の張力、垂直抗力などで、これにあてはまるすべての力は「AがBを●●する力」と書けます。このとき力は受け身で書くので、実際にこの力がはたらいているのはBであることに注意してください。後者の代表例は重力や磁力です。
物体にはたらく力を考えるときの手順は「ナデ・コツ・ジュー」です。
今、この物体を「なで」まわします。すると床に「コツン」とぶつかり、物体と床との間に接触力が生じます。今【物体に】はたらく力について考えているので「床が【物体を】押す力」がはたらきます。これのことを特別に垂直抗力と呼んでいます。あとは、重力がかかるので、結果的に、重力と垂直抗力だけがはたらきます。
ただし、地面にも同じことをしてやると、地面は物体とコツンと接触しているので地面と物体との間に接触力が生じます。【地面に】はたらく力について考えているので「物体が【地面を】押す力」がはたらきます。ですが、物体にはたらく力を聞かれているので書かれていません。この力と垂直抗力の2力は、それぞれどちらも物体と地面との間でやりとりされている力であるため、作用反作用の関係にあります。