回答

物理の世界では、「動き始める」というのは、動く寸前、つまりまだ動いていないと捉えるんです。
高校で習うんですが、摩擦力には静止摩擦力、最大静止摩擦力、動摩擦力の3つがあります。
静止摩擦力は、静止している物体にはたらく摩擦力で、この場合だと1.2Nのときは動いていないので、つりあいが成り立つような1.2Nが静止摩擦力の値になります。つまり、静止摩擦力は、引っ張る力によって変わっていくということです。しかし、引っ張る力を大きくしていくと限界があって、それが最大静止摩擦力となります。この状態を「動き始めた」という風にいいますが、静止しているという扱いです。F=μ'N(μ'は床と物体の材質などによって決まる静止摩擦係数、Nは床が物体を押す力、つまり垂直抗力)で求まります。今回であれば、1.5Nが最大静止摩擦力となります。
最大静止摩擦力以上の力で引っ張ると物体は動き初めます。このときに、はたらく摩擦力は動摩擦力といわれます。F=μN(μは材質による動摩擦係数、Nは垂直抗力)で求まります。これは、最大静止摩擦力より小さな値になります。たぶん、何か重たいものを引っ張ったとき、最初はなかなか動かないけど、動き始めると楽という経験があると思います。

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