化学
高校生

分子結晶と共有結合の結晶の違いとそれぞれの物質の例を教えてください!

回答

簡単に言えば、分子結晶は分子が分子間力によってくっついてできています。共有結合結晶は共有結合してできています。

もうちょっと詳しく言います。共有結合は、原子どうしで電子を共有しあって、互いの最外殻をうめて安定になっています。水素分子や二酸化炭素分子は共有結合で原子どうしが結び付いて分子をつくる例です。この共有結合で原子が結びつけられて、さっきの例とは違って、無限に結び付くことができる巨大結晶をつくったものが共有結合結晶です。ダイヤモンドなんかは、正四面体構造をとりますが、正四面体の底面の3頂点の部分がまた新たな正四面体の頂点となってを繰り返してできます。特徴としては原子が共有結合で結びつけられているので、特定の分子が存在しない(共有結合結晶は同じ原子の集合体だから)ということです。二酸化炭素では酸素2個炭素1個ってわかりますが、共有結合で数えきれないほどたくさんの原子が結び付いて結晶を作ってしまった共有結合結晶は、どこまでを1つの塊とみなせばよいのかがわからないので、組成式(構成する原子の比で表す式)で表します。すべて共有結合で結び付いているので、結合は強いです。
また、分子間には弱い引力がはたらいています。これを分子間力といいますが、分子間力には大きく分けて3つあります。「ファンデルワールス力」(こいつのみを指して分子間力ということもある)「極性分子間にはたらく引力」「水素結合」です。ファンデルワールス力はすべての分子間にはたらく瞬間的な電荷の偏りによっておこる静電気的な力のことです。平均的にみれば、電荷に偏りがなくても、原子核を中心に電子はたえず運動しているため、瞬間的に見たときには偏り(極性)が生じます。構造が似た分子どうしでは、大きさが大きくなれば電子の数が大きくなるので分子量が大きくなればファンデルワールス力も大きくなります。他のやつは省略します。
分子どうしがこのファンデルワールス力によってすごく弱いながらも引き寄せられて集まってできたのが分子結晶です。例としては常温で結晶をつくっているものをあげるとドライアイス、ヨウ素などがあります。(むっちゃ冷やすと酸素窒素貴ガスなんかでもおこる)

続きあり

ブドウくん

ここで、ドライアイスは分子結晶で、二酸化炭素は共有結合?同じものじゃなかったっけ?ってなるかもしれません。しかし、これはあくまで、二酸化炭素分子をつくる各原子どうしは共有結合で結び付いているだけで、そうしてできた二酸化炭素分子どうしは分子間力で引き合っています。

ちなみに、共有結合結晶では融点が高いです。分子結晶は融点が低いです。これは、結合の強さと関係しています。状態変化とは、熱運動の変化です。原子どうしがギチギチならば固体ですし、ユルユルならば液体です。自由に飛び回れば気体でしたね。(中学でやりましたよね?)これをもっと詳しく説明すると、熱運動と分子間力の話になります。粒子は常に不規則に運動していて(熱運動)、これは温度が上がると激しくなる一方で、粒子どうしの分子間力は温度によらず一定なので、粒子の熱運動が分子間力によって束縛された状態では固体ですけど、温度をあげることで熱運動が分子間力を上まって、分子間力をふりきって、自由に動くのが気体です。これを考えると、共有結合で結び付いた結合力の強い共有結合が熱運動を束縛している、分子結晶は結合力が弱いのですぐに熱運動に振りきられてしまうから、融点が高い、低いといえるとわかると思います。

ブドウくん

ごめんなさい、どうしても回りくどい説明になってしまって。
わからないこととかありますか?

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分子結晶は分子間力つまりファンデルワールス力で形成される。例はドライアイス
共有結合は原子間の共有結合で形成される。非金属と非金属の結合。例はダイヤモンド、二酸化ケイ素。

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