何かを修飾するenoughには「形容詞」「副詞」の2種類があります。
「形容詞」のときは名詞の前に置きます。
例) enough money(十分なお金)、enough time(十分な時間)
「副詞」のときは形容詞や動詞の後ろに置きます。
例) good enough(十分よい)、I swam enough.(十分泳いだ)
品詞で区別するのは面倒と思われるかも知れませんが、今後の英語理解には「その単語が何詞なのか」を把握するのは超絶大事です。
なお「なぜ後ろなの?」という疑問に答えている意見はネット上にもあまりありません。大体そういうルールだから覚えなさい、の一辺倒です。
理由が明示されてない理由はいくつかありますが、学説的に「これが理由だ」と決められないというのが大きいです。せっかくなので「説」をいくつか紹介しておきますね。
① 「十分◯◯だ」には「✕✕するには十分」というのが本来の意図だ、説
例) This book is good enough.(この本は十分いいよ)
この場合「何に対して十分なのか」が本来はあるはずです。「子供が読むには」「君みたいな人が読むには」「枕にするには」「持ってるだけで賢く見えるには」などなど。それら「✕✕するのに十分」は長い表現なので必然的に形容詞などの後ろにくる→good enough to read in the train(電車内で読むには十分よい)、そのto以下を会話内で省略した、だからenoughが後ろだ、という説です。
②enoughは接尾辞だ、説
最近日本語にもなりつつあるcotton like(コットンみたいな)のlikeのように単語の後ろに置かれて、そのうち同化しちゃうくらいのもの。cotton-like shirt(コットンみたいなシャツ) みたくハイフンでつないで一語としても使ってます。
beautifulとかはもともとbeauty full(美にあふれてる)→beauty-full→beautifulとなった、という説もあります。enoughもこのlikeのようなものだという説です。
長くなりましたが、言葉のルールの理由は諸説あるものが多いです。いろいろ考えてみるのも知的でいいかも知れませんね。