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一部の例外はありますが、原則転写においては一本鎖のみ合成されます。なぜRNAが一本鎖なのかについては色々考えられますが、遺伝子発現(遺伝子からタンパク質を作る過程)では、RNAはDNAとタンパク質のつなぎ役をしているので、常に安定している必要はないというのが一つの考えです。
実際、RNAはDNAに比べて壊れやすいので、少しでも寿命を伸ばすために修飾されることがあります。例えばキャップ構造です。
このように、RNAがあくまでつなぎ役と考えれば一本鎖で十分です。
また2本鎖を合成する必要がないともいえます。なぜならDNAでは塩基が相補的になっていますので、一方の鎖が情報を持っていればタンパク質を作るための設計図は十分ということです。
難しいですが、RNAが一本鎖であるということは事実なので、まずは受け入れることが大事だと思います。
ちなみに、ウイルスでは遺伝情報として2本鎖RNAをもっているものもいます。
さてDNAのもう一方の鎖が転写されることはないのか、ということですが、転写されている部分においては起きません。必ず1本のRNAだけが鋳型鎖から転写されます。
しかし、どちらのDNA鎖が鋳型鎖となるか、つまり転写されるかについては、遺伝子によって異なります。
ある遺伝子では転写されるが、違う遺伝子では転写されず、代わりに違う方のDNA鎖が転写されることになります。
転写される方をアンチセンス鎖、転写されない方をセンス鎖といい、どちらがアンチセンス、センス鎖になるかは遺伝子によって異なるということです。
ありがとうございました