✨ ベストアンサー ✨
ある系統のマウスに、異なる系統のマウスの皮膚片を移植すると、移植片を受けたマウスは、その移植片を異物として認識し、適応免疫を発動します。
このとき、移植片の成分にくっつく抗体を産生するB細胞が活性化して増殖し(体液性免疫)、移植片の細胞を攻撃するキラーT細胞が活性化し、増殖します(細胞性免疫)。これが問題文にあるように約10日という時間がかかります。
そして、それらの細胞たちの一部は、記憶細胞となって保存され、今回と同じ系統のマウスの皮膚片が、再び移植されたとき、1回目よりも早くそれらが活性化し、そして抗体の量は多く反応します(二次応答)。これにより、選択肢にあるように約5日で脱落するという結果になります。
さて、実験の4と5は、どちらも移植の経験が無いマウスに対し、マウスの血清か、マウスのリンパ球を注射により体内に入れてから、拒絶反応がおこるであろう皮膚片を移植しています。
このとき、実験1のマウスAの血清を注射することは、そこに含まれるB系統の皮膚片にくっつく抗体を血液に入れるということであり、一方、実験1のマウスAのリンパ球を注射することは、そこに含まれるB系統の皮膚片の細胞を攻撃するキラーT細胞を血液に入れるということで、どちらも、B系統の皮膚片が移植されたときに、ただちに反応できる準備をしたことになります。
では、実験4と5で、なぜ、結果が異なるのかと言うと、移植片のような細胞が体内環境に触れるようなことをしたとき、脱落するような拒絶反応を引き起こすのは、キラーT細胞による細胞性免疫が主で、抗体による体液性免疫はほとんど影響がないからです。
なので、実験4は、マウス血清に含まれるB系統の成分にくっつく抗体は拒絶反応に効果がないので、移植経験がないマウスと同様に、拒絶反応に約10日かかり(写真に写っていないのが)、解答は③?となり、実験5は、B系統の細胞を攻撃するキラーT細胞の記憶細胞が注射されるので、実験2と同様の効果がおこり、解答は②の約5日で脱落する、という結果になります。
はい、実験4は③で実験5は②が正解です!ありがとうございます(_ _)わかりやすいです!拒絶反応には体液性免疫は関係なくて細胞性免疫やキラーT細胞、そしてリンパ球が関わっているんですね。