基礎事項としては、
v-tグラフの面積は移動距離を表すこと
加速度とは1秒あたりの速度変化を表すこと、です。
この2点を用いて解いていきます。
(1)【離陸してから200秒後の高度】
ⅠⅠ
離陸してから200秒後の鉛直方向の位置
鉛直方向のv-tグラフ(図2)より、飛行機は
0秒から300秒までは速度が正だから、0秒から300秒までは上に進んでいることがわかります。
300秒から400秒までは速度が0だから、309秒から400秒までは上にも下にも進んでいないことがわかります。
400秒から700秒までは速度が負だから、400秒から700秒までは下に進んでいることがわかります。
ということは、
離陸してから200秒後の鉛直方向の位置
ⅠⅠ
離陸してから200秒間に鉛直方向に進んだ距離
だとわかります。
※離陸してから500秒後の高度
ⅠⅠ
離陸してから500秒間に鉛直方向に進んだ距離 にはなりませんよ。
変位と移動距離の違いに注意です。
離陸してから200秒間に鉛直方向に進んだ距離は、鉛直方向の移動距離を聞かれているから、
図2の200秒までのv-tグラフの面積(赤の面積)を求めればよい。
赤の面積の求め方としては、2通りあるので、好きな方でやってください。
1つめは、台形の公式を利用する方法で、
(上底+下底)×高さ÷2=(100+200)×20÷2=3000[m]=3.0[km]
2つめは、黄色の三角形と緑の四角形にわけて足す方法で、
(黄色の三角形の面積)+(緑の四角形の面積)=(100×20÷2)+100×20=3000[m]=3.0[km]
続く
以上より、水平方向の速度は
t=0からt=100までは速度は2m/sずつ増える(t=100では200m/s)
t=100からt=500までは速度は変化せず200m/sのまま
t=500からt=700までは速度は1m/sずつ減っていく
だから、水平方向のv-tグラフは1枚目の画像のようになる。
聞かれているのは離陸してから200秒後の水平距離、だから、
t=200秒までの水平方向のv-tグラフの面積(オレンジの面積)を求めればよい。
オレンジの面積の求め方としては、2通りあるので、好きな方でやってください。
1つめは、台形の公式を利用する方法で、
(上底+下底)×高さ÷2=(100+200)×200÷2=30000[m]=30[km]
2つめは、黄色の三角形と緑の四角形にわけて足す方法で、
(黄色の三角形の面積)+(緑の四角形の面積)=(100×200÷2)+100×200=30000[m]=30[km]
続く
とりあえず、ここまで理解できますか?
理解できたようなら続き、解説しますね
【離陸してから200秒後の水平距離】
水平距離を聞かれたから、水平方向のv-tグラフの面積を求めたい。
でも、水平方向のv-tグラフは与えられていないから、
与えられているa-tグラフ(図1)から水平方向のv-tグラフを書いてみる。
まず、飛行機は止まっているから、t=0のときの水平方向の速度は0[m/s]
t=0からt=100までは加速度2[m/s²]で動いているから、加速度の意味から
t=0からt=100までは速度は1秒あたり2m/sずつ増えていくということ。
すなわち、t=1での水平方向の速度は0+2m/s=2m/s
t=2での水平方向の速度は2m/s+2m/s=4m/s
t=3での水平方向の速度は4m/s+2m/s=6m/s
t=100での速度はt=0のときより、100回、2m/sずつ増えていった結果だから、
t=100での水平速度は、0+2m/s×100=200[m/s]
※ちなみに、この考え方からできた等加速度直線運動
の公式がV=Vo+at、ですよ。
t=100からt=500までは加速度0m/s²、すなわち、
t=100からt=500までは速度変化が0だから、t=100からt=500までの速度は
t=100のときの速度と同じ200[m/s]
t=500からt=700までは加速度-1[m/s²]で動いているから、加速度の意味から
t=500からt=700までは速度は1秒あたり1m/sずつ減っていくということ。
すなわち、t=500での水平方向の速度は200-1m/s=199m/s
t=501での水平方向の速度は199-1m/s=198m/s
t=502での水平方向の速度は198-1m/s=197m/s
t=700での速度はt=500のときより、200回、1m/sずつ減っていった結果だから、
t=700での水平速度は、200-1m/s×200=0[m/s]
続く