理科
中学生
解決済み

図の赤矢印(地上の風)は、気圧の差を考えると理解できたのですが、青矢印(上空の風)の、特に中緯度帯のうねうねって動いている意味が分かりません…
教えていただきたいです!

地上の風 極偏東風 …上空の風 高緯度低圧帯 60° 下降気流 中緯度高圧帯 偏西風 30° 上昇気流 北東貿易風 00 南東貿易風 赤道低圧帯 中緯度高圧帯 偏西風 30° 高緯度低圧帯 60° 極偏東風

回答

✨ ベストアンサー ✨

図は『一般気象学』という本からの引用です。この図の250〜500hPaのうねる等高度線に沿って偏西風は蛇行し、波の山に当たる部分は「気圧の尾根」、谷の部分は「気圧の谷」です。

このように偏西風が波動を起こす理由は、南北の温度差がある程度大きくなると、温度差を解消しようとして南側の暖かい空気を北側へ、北側の冷たい空気を南側へ輸送する流れが生じるからです。例えば沖縄方面で20℃、北海道方面で0℃なら、温度差は20℃です。温度差があれば必然的に気圧の差が生じ、沖縄方面の気圧が低く、北海道側の気圧が高くなり、地上では熱を北側に輸送する流れができます。上空の偏西風は、この地上の流れを生み出す為にうねうねと蛇行するのです。これを傾圧不安定波と呼び、日本を含む中緯度帯は上空の偏西風が蛇行して温帯低気圧が発生する事で温度収支のバランスを取っており、日々の気温に影響を与えているのです。地球の温度調整機能と考えてください。

偏西風がうねる時、1枚目図の「気圧の谷の軸」が地上低気圧の中心に対して西側に傾くほど、温帯低気圧は発達します。温帯低気圧の発達が止まって衰弱するのは気圧の谷の軸が地上低気圧の真上に立ち、東側に傾き始めた時です。偏西風が蛇行して温帯低気圧が発生し、暖かい空気と冷たい空気が交互に入れ替わる事で、日本を含む中緯度帯は体感的にも過ごしやすい気候を形成しているといえるのです。

じょう

補足。

偏西風がうねる理由は他にもあります。地球の自転効果による影響だったり、特に北半球の場合はヒマラヤ、ロッキーなどの大山脈によって無理矢理偏西風が捻じ曲げられたり、その他よく分からない理由で偏西風はうねります。

偏西風がうねる事で地上には擾乱が発生し、擾乱は地球上の冷たい空気や暖かい空気をあらゆる場所に輸送します。偏西風のうねりが何らかの理由で大きくなりすぎると、ある場所には熱い空気が輸送され続き、ある場所は寒気が滞留して悪天候が続き農作物への発育に影響が生じます。偏西風のうねりは地球の気候と密接に関わっているのです。

もしニュース等で異常気象に関する話題があった場合、その背景に「偏西風の蛇行が平年より大きい」事が関わっている場合があるので、この事を頭の片隅に置きながら事象に注目してみてください。

丁寧な説明ありがとうございます!とても分かりやすく理解できました。
南北の温度差を解消しようして動く流れが、偏西風のうねうねとした動きに繋がるんですね!

ニュースでの異常気象に関する話題にも興味があるので、考えてみたいなと思います(* ´ ` )

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回答

どの風も本来であれば真っ直ぐに風が吹きます。

ですが、地球は自ら回転しているので、それに伴って風も吹き方が変わるということです。

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