現代文
高校生
教えて下さい!
小説は、絵や彫刻なとと
の一行目から始まって、最後の一行にまで辿り着いたに
に無事、受け取られたということになる。小説が持っている大きな進行の〈矢印)」
ろへと向いていて、作中で語られる時間が、どんなに、過去と未来とをジザイに行き来したとしても、基
的に文章は、上から下に向かって読まれ、ページは右から左へと移動する。当たり前の話だ。改行によって、
見えにくくなっているが、一行ずつの文章が、たとえば本ではなく、巻き尺のようなものに連なって書かれ
ていたとすれば、小説を読むという行為が、そのながーい、ながい一本の線を辿ってゆくことだという事実
が、よく分かるだろう。
2 これは、日常生活を送る私たちの意識に合致した構造となっている。どんなに色んな出来事が起こっても、
昔のことを思い出したり、未来を妄想してみたりしても、私たちは淡々と現在を生き、過去から未来へとい
うへ矢印)に従って前進している。この〈矢印〉の方向は、同じ社会に生きている全員が共有しているものだ。
図 近代になって、急激に規模が大きくなり、複雑化していった私たちの社会では、各人が分担して仕事を受
け持つようになる一方、個別の成果をつなぎ合わせて、全体としてうまく機能するために、ひとつの共通し
た時間を持たなければならなくなった。
回一九世紀に鉄道が普及したフランスでは、最初、地方の農村と首都のパリとで、共通の時刻表を作るのに
苦労したという面白い話が残っている。国全体で同じ時間を共有しなければ、せっかく作った農作物も、ス
ムーズに鉄道で運んで、パリの間屋を通して、小売業者が売りさばくことはできない。
5 社会全体が、同じテンポで、同じひとつの〈矢印〉に沿って動き出したのが近代であり、人々は、新聞や
レビといったマスメディアを通じて、世の中で今、起こっていることを知り、それを過去から未来へとい
共通の時間の流れの中で整理し、自分自身の生活を、そこにどう結びつけようかと知恵をメグらせる
そういう時代に発展したのが、小説というジャンルだ。
B
O
N.
a
山
は読みを書け。
30
アか
論一読スキル問題
問三|線2とはどのような意識か。「〈矢印〉」が表す
内容を明らかにして、三十字以内で書け。
0点
設問の
分析
一線部の説明箇所
私たちの意識」が具体的に書かれている一文
問五
回答
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