http://www.kangin.or.jp/learning/text/chinese/kanshi_B23_3.html
意解
昔から洞庭湖の壮観は話に聞いていたが、今初めて岳陽楼に上(のぼ)って見わたすことになった。
呉・楚の地は国土の東南部でこの湖によって二つにひきさかれ、はてしなく広がる水の面には天地が日夜浮動している。
さて、今の私には親戚朋友からは一通の便りもなく、老病のわが身には一そうの小舟があるだけである。
思えば、今なお戦乱が関所のある山の北の故郷ではつづいている。それを思いつつ手すりに寄りかかっていると涙が流れおちるばかりである。
備考
768年夔州(きしゅう=現在の奉節県)を去り最後の放浪の旅に出た杜甫は、三峡を下って江陵に至り更に洞庭湖の岳陽にたどりつき船をとめてこの楼に遊んだ時に作る。
ありがとうございます。