✨ ベストアンサー ✨
The bookも,The booksも可能です。
数えられる名詞□□は,
the / this / that / my / your / his / ○○'s / …
などの語句で,「どの□□のことか分かる」ように〈特定〉されている場合【以外】,必ず
a / anを付けるか,複数形にして(-(e)sを付けて)使います。
逆に言えば,a bookとか,an appleとか,books,applesというのは,〝不特定の〟「1つの本/リンゴ」のことです。
a / anや複数形の-(e)sを常に付けるよう指導されていたのであれば,それは,不特定なら不特定なりの形にするという意味です。
bookとか,appleのように,「何も付けずに」「辞書の見出しの形で」使うのはダメということです。
theを付けたら〈特定〉のものになるので,-(e)sを付ける「絶対の必要性」はなくなりますが,-(e)sを付けてはいけなくなるわけではありませんので,結果的にはthe bookもthe booksも可能となります。
×:book
○:a book / books / the book / the books / this book / these books / that book / those books / my book / my books / your book / your books / his book / his books / Ken's book / Ken's books / whose book / whose books / …
和文英訳や自由英作文では,おっしゃる通り,「どちらでもいい」場合も間違いなく存在します。
ただし,文脈や設定を考えると,どちらかに絞れるケースも多いですし,「どちらでもいい」場合だとしても,「どちらを使ってもニュアンスが変わらない」というわけではなく,特にa(n) ~/~(e)sのような〈不特定〉型と,the ~のような〈特定〉型とではニュアンスがはっきりと違ってきます。
その違いをしっかり理解して使い分けられることが理想ですが,実際問題,中学英語(※高校受験含む)の,産出型の問題(※並べ替えや選択問題など以外の問題)において,冠詞のミスで大減点を食らうことがないのもまた現実です。
したがって,違いを気にすることなく,回答のように,bookやappleをそのまま(何も付けずに/辞書の見出しの形で)使うのを避けることだけに集中するのも一つの手と言えます。
以下,theとa(n)の違いをさらっと解説しておきます。
まず,〈特定〉を表す冠詞theは,文脈や環境,一般常識などを理由として,【話し手(書き手)と聞き手(読み手)が同じものを想像できる】ときに使います。
たとえば,sunやmoonには,会話や文章で初めて出てくるときでも,ふつうtheを付けて使うことになっています。それは,話し手(書き手)が「その太陽」もしくは「その月」と言った(書いた)とき,聞き手(読み手)が「えっ,その太陽ってどの太陽??」「その月ってどの月のこと??」とはならないからです。
最上級やonly,sameなどの語句の前にふつうtheが付くのも,同じ理屈です。「日本で1番高い山」=the highest mountain in Japanは,1つしかなく,それが「富士山」だと知っているかどうかはともかく,話し手(書き手)が「1番高い山ってどういう山のこと?」と混乱するとは考えにくいので,theを付けます。
また,the boyと言えば,日本語で「昨日アイツがさぁ~」とかと言うのと同じように,少なくとも話し手(書き手)と聞き手(読み手)の中では,どの少年のことかについての共通理解があることになります。
このように,日本文に「その」という語が明示されていなくても(「その太陽」や「日本で1番高いその山」ではなくても),2文目以降や,文脈上/環境上/一般常識上明らかな場合には,theを付けます。
次に,〈不特定〉を表す冠詞a(n)ですが,基本イメージは【たくさんあるうちの,どれでもいいから1つ】です。
❶You can use the computer.
という表現は,たとえば「X室に置いてある,Y社のZ型コンピューターのことだ」という共通理解を前提としますが,
❷You can use a computer.
という表現は,どこにあるどこ製のどのコンピューターでもいい(し,myやyourも付いていないので誰のでもいい)から,とにかくコンピューターを使っていいよという意味になります。
❶は,たとえば「新しいコンピューターを買って,古いのが要らなくなったんだ。だから,それは君が使っていいよ」といった文脈(環境)で発話されたと考えられます。この文脈(環境)では,ある特定のコンピューターを指して発話されるはずです。
❷は,たとえば「宿題のレポートは,手書きでもいいし,ワープロで打ち込んでもいいよ」といった文脈(環境)で発話されたと考えられます。この文脈(環境)では,機種などに関係なく,世の中にたくさんあるコンピューターのうちのどれでもいいから1つ使うという意味になるはずです。
また,a highest mountain in Japanと言えば,「たくさんあるうちの,どれでもいいから1つ」つまり富士山と同じ標高3,776mの山が日本には他にもたくさんあって,そのうちのどれでもいいから1つを指すことになり,不自然です。だからtheを使います。
a boyは「ある少年」という感じで,聞き手(読み手)が初めて知る人物などを指して使います。
a/the computerやa/the boyのように,どちらも使える場合でも,ニュアンスが違うこと,a/the highest mountainのように,どちらかしか使えない文脈(環境)があること,ご納得いただけましたでしょうか。
なるほど、世界にひとつしかないものには絶対にTheを付けないといけないんですね?
でもやっぱり英語の問題では相手が知ってるとかは分からないのでどっちでもいいんですか?
This is a letter Ken send me.
(これはケンが私に送った手紙です。)
っていうのがあったんですけど、この場合って、相手に対して、「これは」って言ってるので相手はどの手紙か分かってるんじゃないんですか?なんで a なんですか??
その通りですね。
世界に一つしかない一般名詞にはtheを付けます。
ただし,世界に一つでも固有名詞には原則theは付けません(the United Statesのように例外は多々ありますが)。
問題については,(減点をすべて完全に避けたいのであれば)ケースバイケースとしか言いようがありません。
自分の答案と模範解答とで冠詞の使い方が違っていたら,逐一英語ができる人間に確認してもらうのが本来はベストだと思います。
letterについては,
①This is a letter Ken sent me.
→「これ"は"ケンが私に送った手紙です」
②This is the letter Ken sent me.
→「これ"が"ケンが私に送ったその手紙です」
というイメージです。
This=「これ」が〝話し手の手元にある何かしら〟を指していることは,話し手も聞き手も同じように知っていることだと考えられますが,聞き手がパッと見て「手紙」とも,ましてや「ケンが私に送った手紙」とも,分かるとは限りません。
だから,the letter(私もあなたも知っている,その特定の手紙)と言わ〝なければならない〟道理はありません。
しかし,文脈次第では聞き手がすでに手紙の存在を知っている可能性も十分ありますから,the letterと言っ〝てはいけない〟道理もありません。
theは,話し手と聞き手の共通理解を前提とするということは,日本語では「例の~」とか「件(くだん)の~」のニュアンスに近い場合も多いです。
今回も,たとえばゴミ箱にハートマークだらけの目を引く封筒があって,話し相手に「これは何?(What's this?)」と聞かれたような文脈では,「これは手紙なんだよ」と,まずは「手紙であること」から教えてあげる必要があり,①のような応答になります。
この場合,相手は「これ」=「手紙」と知らないので,theは使いません。
もし,LINEであらかじめ「ケンが変な手紙送って来たんだけど……一人で開けるの怖いから一緒に中身確認してくれない?」とたとえば伝えてあったとして,相手が家に訪ねて来て「これがほら,その例の手紙なんだよ」と見せる時には,相手も知っている手紙なので,theを付けて②のような言い回しにします。
このように,日本文の主語(主部)の助詞「は」と「が」の違いなども,aとtheを使い分けるポイントのひとつです。
ただし,「これは~」の日本文にthe letterと答えたら×になるかというと,まずそんな優秀な採点者が日本にたくさんいるとは思えませんし,中学生にそこまで求めもしませんし,したがって×にはならないと思います。
少なくとも,「その」にtheと反応できていれば,たいていの減点は免れると思います。
なるほど!ご丁寧にありがとうございます!!🙇♀️🙇♀️
じゃあ、英作ではどちらでもいいんですか?
The か a かも、日本語文に「その」がなければどちらでもいいんですか?