✨ ベストアンサー ✨
剛体の運動は並進と回転しかないので、たくさんの力を合力とそのモーメントとしてまとめても数学的に等価です。
この問題もその方が考えやすいと思います。
垂直抗力(の圧力)たちを合成してひとつの合力として扱う
合力は
Ntot=∫N(θ)dS
その作用点RはN(θ)たちのモーメント和を再現するように
R×Ntot=∫r(θ)×N(θ)dS
これでN(θ)たちを、作用点がRの合力Ntotとして置き換えることができる。
作用点を求める式は真面目に計算しなくても、
https://wakariyasui.sakura.ne.jp/p/mech/gou/gougousei.html
のように考えれば、系の対称性も考えるとy軸上にあることがわかる。
F(θ)も同様に合力に置き換える。細かいことを言えば、重力と慣性力も各点に働く力を合成している。
あとは物理としては、4つの力の釣り合いとモーメントの釣り合いでおわり。
(4)は求めたNtotとRから、それを構成しているN(θ)たちを推測する問題。
(8)はナイーブに考えれば答えが出せるし、もしかしたらそれが想定解かもしれないが、ちゃんと考えると簡単ではなさそう。ちょっと真面目に考えてみます。
作用点RはN(θ)のから決まるものですが、初めの時点ではN(θ)がわからないので、決められません。未知数としておいて、力の釣り合い、力のモーメントの釣り合いの式を立てて解けば求まります。
慣性力は物体全体に一様にかかります。円筒の中心が作用点で向きは加速度と逆向きで
大きさはmaです。
慣性力は物体全体に一様にかかるので、その作用点は物体の(質量)中心で、重力の作用点と同じ点です。
仮に図のような点が作用点ならば、力のモーメントが釣り合わずに物体は傾いてしまうでしょう。
(6)Nは合力がmgで一定ですが、その(x軸まわりの)モーメントは不定です。N(θ)を前方に集中させれば大きくなるし、後方に集中させれば小さくなります。N(θ)≧0も考えるとモーメントの最大(と最小)が定まります。
ちなみにこの問ではN(θ)=α+βsinθは成り立ちません。ちょっとした不備です。
b<<rの条件を見逃していました。丁寧な解説、ありがとうございます。
(8)
F(θ)の向きは、各θ~θ+dθの微小部分の床に対する速度(静止系に対する速度)の逆向きであり、その大きさはN(θ)の分布から前方が後方より大きくなる。したがって図のようになる(図省略)。よって-x方向に曲がる。
これがたぶん想定解だが、真面目に考えてみたらなんかおかしい。
N(θ)=α+βsinθとしていいのか不明なので、とりあえずN(θ)は未知関数として始める。
垂直抗力の作用点をxy平面上の点Rとし、OR方向にY軸を、直交するようにX軸を設定する。
働く力は
重力:円柱の中心が作用点で-z向きにmg
慣性力:円柱の中心が作用点で向きは不明(z成分はない)
垂直抗力:Rが作用点で+z向きにmg(z方向の釣り合いを消費)
摩擦力:Rが作用点で向きは不明(z成分はない)
オイラー力:円柱の中心が作用点で、大きさは0(偶力)でモーメントがz成分のみ
以下オイラー力はz成分のモーメントの釣り合いのみに登場し、角速度の変化を決定するだけなので考えない。
まず原点中心のモーメントの釣り合いのXY成分を考える。
重力のモーメントは0,摩擦力のモーメントはz成分のみだから、
慣性力のモーメント=垂直抗力のモーメント
垂直抗力のモーメントはX方向だから、慣性力のモーメントは-X方向になり、慣性力の向きがY方向だとわかる。
慣性力と釣り合う摩擦力の向きが-Y方向になる。
これで4つの力の分布はYZ平面上に前問と同じように配置される(Rの値が一致するかはわからない)
Nの作用点がY軸正方向にあるから、Nは前方というよりはY軸正方向で大きくなる。
実際にY軸を始点とする角をθ'とすると、一つ前の画像と同様の議論ができ、
∫N(θ')dS=mg
∫rsinθ'N(θ')dS=m|a|h/2
∫rcosθ'N(θ')dS=0
ゆえに
N(θ')=α+β'sinθ'+Σ[n=2→∞](an'cosnθ'+bn'sinnθ')
の形になる。
求めたいのは曲がる方向だからY軸を特定する。
使ってないのはF(θ)=μN(θ)
各θ~θ+dθの微小部分の速度v(θ)は
v(θ)=(0,v0,0)+d/dt(rcosθ,rsinθ,0)=(-rω0sinθ,v0+rω0cosθ,0)
ここでω0は問題で与えられた通りの向きだからω0<0
この速度と逆向きにF(θ)だから
F(θ)=-μN(θ)v(θ)/|v(θ)|
これの全θでの積分が-Y方向...
∫-μN(θ)v(θ)/|v(θ)|dS...
などのようになる。
最も簡単なv0→0の極限を考えると摩擦の向きは回転の向きのちょうど反対方向
Y軸方向でF(θ)が大きい図を書けば、F(θ)たちの和は-X方向とわかる。
しかしこれは上で摩擦力の向きが-Y方向と導いたのと矛盾する....
上の議論のどこかがおかしい?そもそも摩擦力の作用点がY軸上で力の向きが-Y方向とした時点で摩擦の原点まわりのモーメントがz成分含めて0となるのもおかしい。回転が永遠に終わらないことになってしまう...
それとも回転しながら、しかも傾かないで移動という運動が不可能とか?
よくわかりません。
たぶんこれはカーリングをモデルにしていて、カーリングの運動はなんか未解明らしい。
普通の物体とは逆の向きに曲がるとか。
普通の物体での運動は解析されているはずだから、調べればたぶんこの問題の詳細が出てくると思う。
(8)の考察ありがとうございます。
>そもそも摩擦力の作用点がY軸上で力の向きが-Y方向とした時点で摩擦の原点まわりのモーメントがz成分含めて0となるのもおかしい。回転が永遠に終わらないことになってしまう...
となると、議論の前半に定めた慣性力や摩擦力の向きの設定が怪しそうだと思いました。カーリングの話も調べてみます。
ありがとうございました。
作用点がy軸上にあるというのは感覚的には分かりますが、Rの値をどのように求めたら良いか分かりません。
(3)の慣性力は、考えている座標系が円筒とともに移動する系なので、偏角θの位置にある円筒底面が受ける単位面積あたりの動摩擦力を円筒底面全体にわたって積分した力に等しく、力の向きはy軸正方向であってますか?