回答

変位というのは、位置がどれだけ変化したかを意味します。(1)は右に2.0mの位置にあった物体が右に右に6.0mの位置に移動したので、4.0m右向きに移動したことになります。

余談
もしかしたら、これを読んだら「変位って難しい言葉使ってるけど、要するに移動した「距離」のことね」と思うかもしれませんが、これは違います。この違いを理解するには、ベクトル量とスカラー量の違いを理解する必要があります。
例えば、温度や時間について考えます。このとき、上向きに30℃、右向きに30分などと言うのはおかしいですよね。これらは「30」という大きさだけを持つ量で、向きは持たないからです。こういう量をスカラー量といいます。ちなみに、30分と20分をあわせたら50分になるように、スカラー量の場合は単に数値の足し算が可能です。
対して、力なんかは下向きに30Nと言ってもおかしくなく、「向き」も持つ量です。裏を返せば、30Nとだけ言われても上向きなのか下向きなのかによって全く異なるので、「大きさ」だけでなく「向き」も大切な情報であり、こういう量をベクトル量といいます。ベクトル量は単に数値(大きさ)だけの足し算では、「向き」の情報が抜けていることになります。だから、中学校のときに力の足し算で平行四辺形を書いたように、ベクトル独自の足し算をする必要があります。

話を戻すと、距離はスカラー量であって、変位はベクトル量です。「右向きに5km進む」ことと「左向きに5km進む」ことは移動距離としてはどちらも5kmです。しかし、変位では、右向きを正にした軸をとったとしたら、+5kmと-5kmという別の意味合いになります。
速度と速さも同様で、速さはスカラー量ですが速度はベクトル量です。

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