回答

✨ ベストアンサー ✨

そもそもの電気分解の目的は, 溶液の中のイオンを電気を無理矢理流してやることで単体として取り出すことにあります。塩化銅であれば、塩化銅水溶液の中の塩化物イオンと銅イオンを、電気のエネルギーを利用して、単体の塩素と銅として取り出してやるためにこの実験をしています。これがわかっていないと、後に習う電池と混同してしまいます。

まず、電池の正極(写真ではピンクで+と書いてあるところ)では、電子を受けとる反応が、電池の負極(写真では緑で-と書いてあるところ)では、電子を渡す反応がおきています。よって、電池の負極側に繋がっている極では、電子がどんどん送り出されていて、この極を電池の「負」極側なので「陰極」といい、反対に正極側に繋がっている極では、電子がどんどん入ってきていて、この極を電池の「正」極側なので「陽」極と言います。(図では+や-と書いていますが、電池は正極・負極と、電気分解の電極は陽極・陰極といいます。写真に模式図を添付しましたが、ここに書いてある「酸化」や「還元」は高校で習う定義なので、酸素の受け渡しのことではないので無視してください。)

陰極側では、電池から強制的に電子がどんどん送り込まれていくので、陰極ではこの電子を溶液中のイオンに渡そうとします。溶液の中で電子をもらいたいやつは誰かというと、電子が不足して+を帯びた陽イオンですね。だから塩化銅の場合は陰極でCu^2+が2つの電子を受け取ってCuになる反応が起こります。
反対に陽極側では、電池が電子を欲しがっているので、陰極では電子を溶液中のイオンからもらおうとします。溶液の中で電子を渡したいやつは誰かというと、電子が余って-を帯びた陰イオンですね。だから塩化銅の場合は陽極でCl-が1つの電子を渡してCl原子になり、それが2つ結び付いて塩素分子となる反応が起こります。

ブドウくん

これをまとめると
陰: Cu^2+ + 2e- →Cu
陽: 2Cl- →Cl2 + 2e-
となりますが、これを連立方程式の要領で足し合わせると
Cu^2+ + 2e- + 2Cl- → Cu + Cl2 + 2e-
となりますね。
2e-は共通なので消せて
Cu^2+2Cl- →Cu + Cl2 ...①
になります。
もともと銅イオンと塩化物イオンは塩化銅の電離
CuCl2→Cu^2+ + 2Cl- ...②
から生じているので
①②より
CuCl2→Cu+Cl2
となりますよね。
これはまさに、最初に話した「溶液中に溶けている塩化銅から単体の塩素と銅を得る」という目的を表した式ですね。中2でこの式自体は習ったはずですが、そのときは電気分解の仕組みまでは習っていなかったと思います。イオンを習ったことでその過程まで含めて考えることができるようになったということです。
なにか質問があったらコメントしてください。

ブドウくん

一応一通りは説明したので、塩化水素の方も自力でできるはずです。どうしてもわからなかったら教えますが、なるべく自分でやった方がいいと思うので、あっているかの確認はしてもよいですが、答えはまだ書かないでおきます。

かりん

解説ありがとうございます!!
解いてみたのですが、先程と違いHClのままだと水素と塩素にならないと思ったのでよく分からないまま2を付けました。全く自信ないです🙇‍♀️
質問なのですが、どういう時に数字を前につけたり後ろに小さくつけたりするんですか、、?
あと2eは2が大きくeが小文字で小さいという書き方でしょうか?
伝わりにくくすみません。

かりん

あ、最後って物質にしないといけないので数字は後ろになりますかね、、

ブドウくん

良くできていると思います。AとBの各極の式はきちんと書けています。ですが、全体の式が2Cl になっているところだけがおかしいですね。

ブドウくん

その通りです!

かりん

良かったです!
数字の場所についてなのですが、イオン式の時は前につけて化学式の時は小さく後ろにつくんですかね?🤔

ブドウくん

スマホのキーボードだと小さい文字を打つのが少し面倒なので、小さく書くべきところも大きく書いたので混乱させてしまったのかもしれません。すいません。

基本的には、2年生で習ったことと同じです。
H₂というのは、水素分子という意味で水素原子Hが2つくっついてできているということです。1が省略されていてH₂ということなので、1つの水素分子という意味になります。だから、3つの水素分子と書きたければ3H₂ということになります。H原子が2つくっついて水素分子になった状態というのはもう2原子がくっついてしまって1つの分子ということですが、3H₂というのは水素分子が3つあるということであって、くっついて6つの原子からできた分子になっているわけではないです。この3を係数といいます。(数学でも5xyとか6x²の5や6を係数と言いますよね。)

イオンが入ってきたら少しややこしいのかもしれませんが、同じです。
まず、小さく右上に書いている数字(例えば銅(II)イオンの2+とか)のは電子をいくつ失ったかどうか、あるいはいくつもらったのかということです。これは、どんな反応であっても普通変わらないので覚えてしまってください。
イオンについても係数の扱いは同じで、例えば3Cl^-と書けば3つ塩化物イオンがあるということになります。
だから、イオン式でも前に係数がつくことは普通にあります。
ex.)塩化カルシウムCaCl₂の電離のイオン反応式
CaCl₂→Ca²+ + 2Cl-
これはCaCl₂がカルシウムイオンと塩化物イオンに1:2の割合で電離したという意味です。
電子も同じで、
Cu^2+ + 2e-→Cuと書いたら
銅(II)イオンと電子が1:2の割合で反応して1の割合で銅単体ができたということです。
それから、イオン式であっても後ろに小さな数字がつくことはあります。例えば硝酸イオンNO₃^-等です。これは説明が難しいのですが、N原子1つとO原子3つが結び付いた状態で電子が1つ多くなっていると考えてください。

これで聞きたかったことに応えられていますかね?

かりん

はい!
分かりやすかったです!ありがとうございました😭

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