(1) 多項式P(x)を多項式A(x)で割った余りを調べる際は次のことを意識して立式します。
①割った余りの次数は割った多項式A(x)の次数未満になる
②剰余の定理を上手く使うためA(x)=0の解を代入する
今回はA(x)=x^2+x+1 (^2は2乗の意) ということになるのですが,このx^2+x+1=0の解は有名なx=ωです (ωは1の原始3乗根)
なのでこのωの性質もおさらいしておきます
[1]ω^2+ω+1=0
[2]ω^3=1
[3](ωの共役複素数)=ω^2
また次のことを知っておくとラクに計算できます
複素数の話でa,bを実数とした時
a+bi=0 ⇔ a=b=0 (iは虚数単位)
という話があったのを覚えているでしょうか
実はこれ i を ω にしても成り立ちます
つまり
a+bω=0 ⇔ a=b=0
です。これらを踏まえて解いたのが下の写真です。
(2) 解き方を3通り紹介するので自分の必要とするレベル等に合わせて取捨選択してください
解き方1:判別式の利用 (発想は一番単純)
2x+y=k ー①(kは実数) とおくと,kの最大値及び最小値を調べれば良い。
① ⇔ y=-2x+k ー①’ よりkは傾き-2の直線のy切片であるゆえ,このy切片が最大もしくは最小となるのは 円x^2+y^2=2 ー②と接するときである。ー(☆)
よって①’を②に代入すると
x^2+(-2x+k)^2=2 これを整理して 5x^2-4kx+k^2-2=0
この2次方程式の判別式をDとすると
D/4=4k^2-5(k ^2-2)=-k^2+10
①’と②が接する条件はD/4=0より-k^2+10=0 つまり k=±√10
よって 最大値は√10,最小値は-√10
解法2:点と直線の距離の公式の利用 (すぐに思いつけるまでに少し練習が必要)
解法1(☆)まで同じ
このとき円②の半径が√2であることに注意して
√2=|-2*0+1*0-k|/√{(-2)^2+1^2} つまり √2=|k|/√5
よって|k|=√10 これを解いて k=±√10
以上より最大値√10,最小値-√10
解法3:片方が円ということに注目 (発想は少し難しいのと記述に難ありだが慣れれば計算が一番ラク)
実数x,yは円 x^2+y^2=2 上にあるので
x=√2cosθ,y=√2sinθ (0≦θ<2π)と置ける ←円の媒介変数表示
このとき2x+y=2√2cosθ+√2sinθ=√10sin(θ+α)
(ただしαはsinα=2√2/√10,cosα=√2/√10 を満たす実数) ←三角関数の合成
で0≦θ<2πよりα≦θ+α<2π+α
よって-1≦sin(θ+α)≦1より-√10≦√10sin(θ+α)≦√10
つまり-√10≦2x+y≦√10 より最大値√10,最小値-√10
少し難しい問題だと思うので何か疑問点があればお気軽にどうぞ
(1)はωを忘れてました。(2)は解き方1でやったら解けました!たくさん、ありがとうございます。