C 反応速度の求め方
過酸化水素水に酸化マンガン(IV)を加えると,H2O2が分解して酸素と水を生じる。
2H2O2
O2 +2H2O
この反応における過酸化水素の分解の反応速度を,実際に求めてみよう。このとき
過酸化水素の分解量を直接測定することは難しいため、酸素の発生量を調べ,化学反
応の量的関係から過酸化水素の分解量を間接的に求める。
≪酸素 O2 の発生≫ 1.50mol/L 過酸化水素水)
5.00mL に酸化マンガン (IV) を加え, 発生した
酸素の体積を60秒ごとに測定する (図3)。
≪実験結果 ≫ 反応時間と発生した酸素の体積
の関係は表1のようになり,これをグラフに表
すと図4となった。 なお, 水温は 18℃, 大気圧
は1.01×10 Paであった。
① 表1 反応時間と酸素の発生量
メスシリ
温度計
ふたまた
試験管」
ンダー
過酸化
水素水
・酸化マ
室温
の水
ンガン
(IV)
水
図3 過酸化水素の分解
反応時間 [s] 0
60
120
180 240
300
発生したO2
の体積 [mL]
0
14.0 26.0 35.0
43.0 50.0
[mL]
50
発生した酸素の体積
40
30
20
<反応速度の計算≫ 次の①~⑤の計算を各反
10
応時間について行う。
60
120 180 240
時間
300
[s]
計算例 60秒後の酸素の発生量 14.0mL を用いて
0~60秒間の過酸化水素の分解の平均の反応速度を
求める。
①発生したO2の体積を物質量に換算する。
① 図4 反応時間と酸素の発生量
時間経過とともに、酸素の発生量が減少する
ことがわかる。
気体の状態方程式 PV=nRT から,
PV
1.01×10 Pa × 14.0×10-L
n=
8.31×10 Pa・L/(K・mol)×291K
==5.85×10-4 mol
RT
②分解されたH2O2の物質量を求める。
(7) 式の反応式の係数から、分解されたH2O2の物質量は,発生したO2 の物質量の2倍なので、
5.85×10mol×2=1.17×10mol
③H2O2 のモル濃度を求める。
溶液中にはじめにあったH2O2は 1.50mol/L× 5.00
1000
-L=7.50×10molであり、溶液の体積は
5.00mL(5.00×10-L) なので, 60秒後のH2O2 のモル濃度は,
7.50×10-3 mol-1.17×10-3 mol
5.00×10-3L
[H2O2] =
132 第Ⅱ章 物質の変化と平衡
=1.27mol/L
モル数が変化してしまったらpv=nRTも成り立たなくなってしまいませんか?