問題文から「x,yは実数」とわかっていれば、証明するのは簡単です。
元の命題は「『2x+3yが0より大きい』なら『xかyのどちらかは0より大きい』」です。
このままでは証明しづらいので、元の命題と対偶の真偽が一致することを利用します。
対偶は「『xとyの両方が0以下』なら「2x+3yは0以下』」です。対偶は元の命題の仮定と結論を入れ替えて、否定することでわかります。対偶を鉛筆で書いてあるので『xまたはyは0より大きい』『2x+3yは0より大きい』の否定は理解しているものとし、説明は省きます。
・x≦0から2x≦0
xは実数です。xは、整数だけでなく、2分の1や√2といった数字である可能性があります。しかし、実数ということは虚数ではないということです。であれば、考えるのは簡単です。2に0を掛ければ当然0で、0以下になります。また、2に負の数である-1を掛ければ-2で、0以下になります。対偶の仮定(『xとyの両方が0以下』)から、xに正の数が入ってくることは絶対にありません。だから、2x≦0は常に正しいです。
・y≦0から3y≦0
yの場合もxと同じように考えれば、3yは必ず0以下になるとわかります。
・2x+3y≦0
2xと3yは0以下になることを確認しました。0以下の数と0以下の数の和は当然0以下になります。この問題に「2x-3y」と書いてあったなら話はまた違ってきますが、足しているだけなので、2xも3yも0以下と分かっていれば、自然と2x+3yも0以下だと分かります。
これで対偶は真であることが証明でき、対偶は元の命題の真偽と一致することから、元の命題も真であるといえます。