418 解説① デンプンの分子式は,その重合度
をnとすると, (C6H10Os) で表される。このデン
プンの分子量が4.05 x 10 だから,
n=2500
162n=4.05 x 10°
② A, B. C の分子量は, それぞれ 222, 208, 236
であるから, モル質量は、222g/mol, 208g/mol
236g/mol となる。 A, B, C の物質量の比が,それ
ぞれ A, B, C の分子数の比に等しいから、
3.064 0.125
222
③3③
A:B:C=-
デンプンを構 </
成するグルコー
スは、右の4種
類に区別でき
る。 200
デンプンの−OH のうち, メチル化されるものは,
他のグルコースと結合していないフリーの状態にあ
るものである。
Aには, 1位と4位にOHが残っているから,
A は1, 4位で他のグルコースと結合していた連鎖
部分にあったことがわかる。
Bには, 1位, 4位, 6位にOHが残っている
から,Bは1位, 4位, 6位で他のグルコースと結
合していた枝分かれ部分にあったことがわかる。
0.142
208 236
:
非還元 連鎖
末端
部分
b
23:1:1
枝分かれ
部分
a : 1,4 結合 b: 1,6結合
還元
末端
Cには1位だけに-OH が残っているから, Cは
1位だけで他のグルコースと結合していた非還元末
端にあったことがわかる。
よって,このデンプンでは, (連鎖部分23+枝分
かれ部分1 + 非還元末端1) のあわせてグルコース
25分子あたり1個の枝分かれが存在する。
④ ①より,このデンプン1分子は2500個のグルコ
(3) 構造 A のグルコースには,不斉炭素原子がいくつあるか。
(4) フルクトースの還元性の原因となる構造を次の(ア) ~ (オ)から選び,記号で答えよ。
(ア) -CH2OH (イ) - OH (3) – CHO (I) – COOH (*) - COCH₂OH
発展問題
418□□ デンプンの構造 次の文のに適する数値(整数)を入れよ。原
子量は H = 1.0, C = 12,0 = 16 とする。
ある植物の種子から得た分子量 4.05 × 10°のデンプンがある。 このデンプンは
■個のグルコースが脱水縮合したものである。
このデンプンのOHにメチル基を導入 (メチル化)して すべて - CH3O としたの
ち,希硫酸で加水分解すると,次の A~Cの化合物が得られた。
CH2OCH3
CH2OH
H
HO
H
H
H
OCH3 H
C OH HO
HOCH3
O
H
OCH3 H
C
OCH3
C.
H
H
H
OH CH3O
CH2OCH 3
C- O
H
OCH H
C
OCH3
C-
H
H
TOH
A : 分子式 C9H18O6
B : 分子式 C8H1606
C: 分子式 C10H20O6
いま,このデンプン 2.430gを完全にメチル化し加水分解すると, A 3.064g, B
は 0.125g, C は 0.142g 生じた。
この結果から, A, B, C の分子数の比は,
: 1:1となる。 したがって,
このデンプンではグルコース [ ■分子あたり1個の割合で枝分かれがあり,この
デンプン1分子中には [ か所の枝分かれが存在していることになる。