問題 7-8
次の文のうち、誤っているものを選び、 その理由を述べよ。
A. それぞれのリボソームは、1種類のタンパク質しか合成できない。
B. mRNA は必ず折りたたまれ、 翻訳されるために必要な特定の三次構造をとる。
C. リボソームの大サブユニットと小サブユニットはいつでも結合しており、 結合相手を交換することはない。
D. リボソームは細胞質に存在する細胞器官で、1枚の膜で包まれている。
E. DNAの二本鎖は相補的なので、 ある遺伝子のmRNAを合成するには二本鎖のどちらを鋳型にしても良い。
F. mRNA に、ATTGACCCCGGTCAAという配列が存在することがある。
G. 定常状態の細胞に含まれるタンパク質の量は、それぞれそのタンパク質の合成速度、 触媒活性、 分解速度によって決
まる。
問題 7-10
コドン表(ケイン生物学 図 15-5) を用いて、 次の中からアルギニン・グリシン・アスパラギン酸というポリペプチドを指
令する塩基配列をみつけよ。
1. 5'-AGA-GGA-GAU-3'
2.5'-ACA-CCC-ACU-3'
3. 5'-GGG-AAA-UUU-3'
4. 5'-CGG-GGU-GAC-3'
問題 7-18
A. 細胞内のタンパク質の平均分子量は、 約 30,000 である。 しかし、数少ないとはいえこれをはるかに超える大きいタ
ンパク質もある。 細胞で生産される最大のポリペプチド鎖はタイチン (=コネクチン、 筋細胞でつくられる) で、 分子
量は3,000,000 である。 筋細胞がタイチン mRNA を翻訳するのに要する時間を計算せよ (アミノ酸の平均分子量は120、
真核細胞の翻訳速度は毎秒アミノ酸2個と仮定する)。
B. タンパク質合成は非常に正確で、 アミノ酸を10,000 個つなぎ合わせて誤りは1回程度である。 平均的な大きさのタ
ンパク質分子とタイチン分子では、 誤りなく合成されたものの割合はどのくらいか (ヒント: 誤りのないタンパク質が
得られる確率P は、 P=(1-E) という式で求められる。 Eは誤りの頻度、n はアミノ酸の数である)。
C. 真核生物のリボソームタンパク質全体の分子量は2.5×106 である。 これを1個のタンパク質として合成するのは得
策だろうか考察せよ。
D. 転写速度は、 毎秒約 30 ヌクレオチドである。 これまでに述べた条件から、 タイチン mRNA の合成に必要な時間が
計算できるか。