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第3章 化学反応式の利用
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演習問題8 酸化還元反応 (1)
次の文を読み、(1) ~ (5) に答えよ。 必要があれば次の数値を用いること。
原子量 H=1.00=12.0, 16.0, S=32.1, K = 39.1, Mn=54.9
シュウ酸二水和物(COOH)2・2H2Oの結晶を水に溶かし,メスフラスコを用いて 0.0500 mol/L水溶液
を調製した。この水溶液 10.0 mL をホールピペットを用いてコニカルビーカーに入れ,純水を約20 mL
加え,さらに3mol/Lの硫酸水溶液を5mL加えた。 この溶液を約70℃に温めた後,濃度のわからない
過マンガン酸カリウム水溶液を器具Aを用いて少しずつ滴下した。 11.0mL滴下したときに溶液の赤紫色
が消えなくなったので,この点を滴定の終点とした。
反応
(1) シュウ酸二水和物 (COOH)2・2H2Oの結晶を水に溶かして 0.0500 mol/Lの水溶液を調製するのに最
も適当な方法を,以下の(ア) ~ (オ) から選び, 記号で記せ。
(ア) 結晶 4.50gを水1000mLに溶かす。
(イ) 結晶 4.50gを水995.5gに溶かす。
(ウ)
結晶 3.15gを水に溶かして500mLにする。
結晶 4.50gを水に溶かして1000mL にする。
(オ) 結晶 6.30gを水 993.7gに溶かす。
(2) この滴定の操作に用いた器具Aとして, 最も適当なものの名称を記せ。
(3) この滴定において, 過マンガン酸イオンがどのように変化したかを示す, 電子を含むイオン反応
式は以下のように表される。 式 (i) の(a) に当てはまる数値を記せ。
MnO4- +8H+ + (a) | e → Mn²+ + 4H2O
(i)
この滴定において, シュウ酸がどのように変化したかを示す,電子を含むイオン反応式は以下の
ように表される。 式 (ii) の (b)に当てはまる化学式を記せ。
(COOH)2 → 2 (b) + 2H+ + 2e¯
(ii)
③ 式 (i)および式(i)より,硫酸酸性水溶液中における過マンガン酸カリウムとシュウ酸の酸化還
元反応の反応式を記せ。
(4)下線部のように,この反応は硫酸酸性水溶液中で行う必要がある。この反応では,硫酸のかわりに硝
酸を用いることができない理由を 15 字程度で記せ。
(5)この滴定で用いた過マンガン酸カリウム水溶液の濃度は何mol/Lか。 有効数字3桁で求めよ。
(甲南大)
BRO