Political economics
高中
已解決

消去法で4番を選んだので、なぜ4番になるのかわかりません。4番になる理由を教えていただきたいです。解説を読んでも理解できませんでした😥

問1 イントロダクションとして, 生徒 Xと生徒Y は, 国民生活と経済との関わり を考えることから作業を始めることにした。 国民生活に密接に関係するものに 物価があるが、物価の説明として最も適当なものを、次の①~④のうちから一 つ選べ。 1 ① デフレーションは,貨幣の価値を下落させる。 ② インフレーションは、資金を借りた人が資金を返済する際の実質的な負担 を増大させる。 消費の拡大を原因として生じるインフレーションは、コストプッシュ・ インフレーションと呼ばれる。 ④ 名目経済成長率が上昇しても、物価の上昇率がそれを上回っていれば,実 質経済成長率はマイナスとなる。
【設問別解説】 問1 4 経済成長率は, GDP(国内総生産) の変化率で表 されるが,これには、各年の物価水準で示した名目 GDP をもとに算出する名目経済成長率と,物価変 動の影響を除去した実質GDP をもとに算出する実 質経済成長率がある。 次の例をもとに,考えてみよ う。 前年 今年 100兆円 120兆円 125 名目GDP 物価指数 (GDPデフレーター) 100 この場合、 今年の物価は前年に比べて1.25倍になっ たことになる。 名目GDPは1.2倍になっているの で,名目経済成長率は20%である。 続いて, 今年の 実質経済成長率を求めてみよう。 実質GDPは次の 式で求められる。 名目GDP 実質GDP= 物価指数 (GDPデフレーター) ×100 したがって, 実質GDPは次のようになる。
今年 前年 100兆円 96兆円 実質GDP 実質GDPは前年よりも4%減少しているので, 実 質経済成長率はマイナス4%ということになる。 こ のように, 名目経済成長率が上昇しても、物価の上 昇率がそれを上回っていれば,実質経済成長率はマ イナスとなる。 ① 「下落させる」は不適当。 デフレーション(デ フレ)とは,物価が持続的に下落することをいう。 デフレになると,同じ額の貨幣で購入できる財や サービスがそれ以前よりも増加することになるの で,貨幣の価値は上昇する。 たとえば,ある財の価 格が,デフレの影響により1単位500円から100円に 下落したとすれば, 1000円という貨幣の価値は, 「その財2単位分」の価値から 「その10単位分」 へと上昇する。 ② 「増大させる」は不適当。 インフ レーション (インフレ) は, 物価が持続的に上昇する ことをいう。 インフレになると, 先のデフレと反対 に、貨幣の価値を低下させるので、資金を借りた人 が資金を返済する際の実質的な負担は減少する。 た とえば、ある財の価格が、インフレの影響により1 単位100円から500円に上昇したとすれば,1000円を 借りた人は, 「その10単位分」 を返済しなければ ならなかったところ、 「その財2単位分」を返済す ればよいことになり, 負担は小さくなる。 ③ 「コス ト・プッシュ・インフレーション」は不適当。 消費 の拡大などを原因として総需要が総供給を上回るこ とで生じるインフレーションは、ディマンド・プ ルインフレーション (需要インフレ) と呼ばれる。 なお,コスト・プッシュ・インフレーション (コス トインフレ)は、賃金の上昇や原材料価格の上昇な ど生産に関わるコストの上昇が原因となるインフレ である。
政経 国民経済の発展 経済成長率

解答

✨ 最佳解答 ✨

長い説明になりますが、お付き合いください。

●名目・実質に関する前提知識(わかっていればとばしてOK)
名目経済成長率というか、名目GDPは「1年間にその国でどれだけの価値が生産されたか」を示すものです。ここで言う「価値」というのは、(厳密には違いますが)商品と言い換えるとわかりやすいかもしれません。

で、この価値を示す尺度として使われるのが円とかドルとか、貨幣と呼ばれるものなので、「今年のGDPは〇〇兆円でした」みたいにニュースになるわけですが、問題なのはこの貨幣の価値が毎年変動することです。例えばインフレになれば貨幣の価値は下落しますし、デフレになれば貨幣の価値は上昇します。
仮に10%のインフレが発生して物価が上がったとしましょう。去年まで100円で買えたものが110円になってしまいました。このとき、名目GDPで考えると10円の経済成長・10%の経済成長が達成されたことになるのですが、実際に10円分の価値が新たに生産されたわけではありません。単にその商品の価格が上がった(貨幣の価値が下がった=インフレになった)だけです。
こういうことが起こるので、名目GDPは経済の実態を適切に表すことができるとは限りません。そこで、名目GDPから物価上昇率の影響を取り除き、より実態に近い数値にしたものが実質GDPです。
インフレになれば名目GDPや成長率には物価上昇分が可算されますが、実質GDPや成長率では名目値から物価上昇分が除かれるので、「名目GDP・成長率≧実質GDP・成長率」という式が成り立ちます。逆にデフレになれば名目GDPや成長率が物価下落によって押し下げられますが、実質GDPや成長率は物価下落分を除いた数値になり、「名目GDP・成長率≦実質GDP・成長率」という式になります。ここまでが前提知識です。

●解説の解説
この問題が想定している状況は、名目経済成長率を物価上昇率が上回る状況です。解説の内容に沿って説明しますね。
例えば、ある国の昨年の名目GDPと実質GDPが共に100兆円だった場合を考えます。今年は名目経済成長率が20%を記録し、名目GDPは120兆円まで伸びました。しかし、同時に昨年から今年までに、物価上昇率は名目経済成長率を上回る25%を記録し、GDPデフレーターは125という値になりました。名目経済成長率(20%)を物価上昇率(25%)が上回ったわけです。
今年のGDPデフレーターから実質GDPを算出すると96兆円となり(計算式:(名目GDP(120兆円)/GDPデフレーター(125))×100))、実質経済成長率は-4%となってしまいました。
このように、名目経済成長率を物価上昇率が上回った場合、実質経済成長率は必ずマイナスになります。

片寄

名目・実質のしくみがそもそもわかっていなかったので、そこもしっかり説明していただけてとてもありがたいです!!長く詳しく説明してくださり、わかりやすいです!解説の解説までしていただき、理解できました!!丁寧な説明ありがとうございました!

留言
您的問題解決了嗎?