演習 例題 7
経路の数と確率・
次の三人の会話を読み、 問いに答えよ。
先生: 今日は、経路の数と確率の次の問題について考えてみましょう。
問題 右の図のように, 東西に4本, 南北に5
本の道路がある。 A地点から出発した人が
最短の道順を通ってB地点に向かう。 ただ
し、各交差点で、東に行くか、 北へ行くかは
等確率であるとし、 一方しか行けないとき A
は確率でその方向に行くものとする。
[1] A地点からB地点に行く経路の総数は何通りあるか。
[2] A地点からP地点を経由してB地点に行く経路は何通りあるか。
[3] A地点からP地点を経由してB地点に行く確率を求めよ。
太郎 [3] の確率は,
その事象の起こる場合の数)
(すべての場合の数)
花子 [1] は, 北へ1区画進むことを↑, 東へ1区画進むことをで表すこと
にして、その並び方の総数を考えればよいと授業で習ったよ。
太郎 そうだね。 その考えで求めると経路の総数は アイ 通りだね。
花子: 続いて [2] は, A地点からP地点に行く経路がウ 通りあって P地
点からB地点に行く経路がエ通りあるから, A地点からP地点を
経由してB地点に行く経路はオカ 通りとなるよ。
から
先生 [3] は本当にそれでよいですか。
花子: ちょっと待って。 確率を求めるときに、分母の
(すべての場合の数) が同様に確からしいこと
を確認する必要があったよね。
[1] で求めた経路の総数の1つ1つは同様に
確からしいのかな。 例えば,
図1の経路をとる確率は (12) だけど、
B
P
A
(図2)
北AT
オカ|
「アイ」
で簡単に求まる
[図1]
B
B
図2の経路をとる確率は (4) ²
A
となるよ。
太郎: なるほど。確かにそうだね。 ということは, A地点からP地点に行く確
率はケ, P地点からB地点に行く確率はコだから求める [3] の
確率はサとなるね。
先生: よく考えましたね。 確率を求めるときには、「1つ1つの事象が同様に確
「からしい」ことをつねに確認することが大切です。
(1) アイクに当てはまる数値を記入せよ。
(2) ケ
~サに当てはまるものを、 下の⑩~ ⑨ のうちから一つずつ選べ。
ただし、同じものを繰り返し選んでもよい。
0
(2
12
35
1
8
4
35
3
4
⑦
1
32
1
4
図2の経路をとる確率は
(2) A地点からP地点に行く確率は
11 1 1
2222
[③
Situation
Check 最短経路の総数は同じものを含む順列で考
える。
確率は道順によって異なる (同様に確
からしくない)。
「一方しか行けない」とき (右図の赤い交差点)
の確率は 1
(1) A地点からB地点に行く経路の総数は, 13イ
と→4個を1列に並べる順列の総数に等しいから
7!
3!4!
アイ35 (通り)
1/1 ・1・1・1・1=
4!
A地点からP地点に行く経路は =4 (通り)
1!3!
3!
2!1!
P地点からB地点に行く経路は -=13(通り)
よって, A地点からP地点を経由してB地点に行く経路
の総数は 4×3=オカ12 (通り)
図1の経路をとる確率は
1.1.1
222
1=(1/2)^
1=(1/2)^
第5章 場合の数と確率 99
1
16
1
2
・1・1・1=
(1/2)x1-1/12 (⑦)
P地点からB地点に行く確率は1 (⑨) であるから,
求める [3] の確率は 1/12 ×1=1/12 ( ⑦ )
4
3
8
[⑨] 1
◆1個, 3個の順列。
P
12個, 1個の順列。
問題 7 右の図のように, 東西と南北に4本ずつの道路がある。
A地点から出発した人が最短の道順を通ってB地点に向かう。
ただし,各交差点で、東に行くか, 北へ行くかは等確率であるとし、
一方しか行けないときは確率でその方向に行くものとする。
(1) A地点からB地点に行く経路の総数は アイ 通りである。
(2) A地点から P Q の2地点をともに経由してB地点に行く経路の総数は
通りであり、 その経路を通る確率は
I
オカ
である。
A
→基 35
◆積の法則
◆点Aを含めて,点Bに到
達するまでに通過する 7
一個の交差点ごとの確率を
考える。
◆点Aを含めて、点Pに到
達するまでに通過する4
個の交差点ごとの確率は
IP
B
すべて同じで-
2°
◆点Pからは必然的に点B
に到達するから確率は1。
35
1Q
B
北
5
場合の数と確率