✨ 最佳解答 ✨
教科書の「真核生物の遺伝子発現調節」の図に、基本転写因子とRNAポリメラーゼとDNAがくっついている(複合体を形成している)イラストがあると思いますが、それを見ながら。
真核生物のmRNAの転写では、RNAポリメラーゼが単独でDNAのプロモーター領域(転写開始の少し上流にある配列)に結合してmRNAを転写するのではなく、他のタンパク質が複数結合することで、転写を促進したり、抑制したりされています。
まず、複数の基本転写因子(タンパク質)がDNAのプロモーター領域(配列)に結合します。
すると、続いて、RNAポリメラーゼがプロモーター領域に結合できるようになり、結合します(あわせて転写複合体と言う)。
次に、転写複合体に対して、プロモーターの上流にあるエンハンサー(DNAの配列=転写調節配列)に結合したアクチベーター(調節タンパク質=転写調節因子)が結合すると転写が促進され、サイレンサー(DNAの配列=転写調節配列)に結合したリプレッサー(調節タンパク質=転写調節因子)が結合すると、転写が抑制されます。
整理すると、
転写調節領域=転写調節配列であり、エンハンサーとサイレンサーがある。
アクチベーターとリプレッサーは、転写調節因子=調節タンパク質であり、
エンハンサーには、アクチベーターが結合して転写促進へ
サイレンサーには、リプレッサーが結合して転写抑制へ
調節される。
アクチベーターやリプレッサーは、転写調節領域に結合したまま、転写複合体に結合し、それぞれ、転写促進、転写抑制へと働きかける。
アクチベーターとリプレッサーは、排他的に(どちらか一方が)単一で転写複合体に作用するのではなく、いくつもの促進や抑制の調節因子が結合し、その塩梅で転写が制御されます。
基本転写因子は、抑制・促進のどちらの場合にも転写に必要となる基本的なタンパク質だと思えば良いでしょう。
とてもわかりやすい解説ありがとうございました。
参考になったためベストアンサーです。