①戦争経済の状態になっていたから。
・戦争をすることで、武器を使う事で、軍需工場の雇用が生まれる。
・新しい占領地=新しい市場なので、経済活動を成長させる事ができる。
・借金をして軍備をそろえて、上記の2つをします。そして、新しい占領地からの利益で、借金(元本+利子)を返済します。
【結果】この方法を続けていれば、互いの国の経済をまわすために必要な植民地や勢力圏に手を出す事になるので、中国利権や東南アジア利権で欧米の国とぶつかり、日本は最終的にアメリカと戦争をする事になる。(ABCD包囲網)
【さらに深掘り】
★資本主義は、成長し続けないといけません。なぜなら、借金を原動力に事業を広げるビジネスモデルだから。
だから、当時の世界では軍事力を使った拡大政策がとられていました。
今でも、ウクライナでの戦闘は、戦争経済の良い例です。ただ、戦争経済はデメリットもあり、メリットよりデメリットが多い場合もあります。
★今の日本は、戦争こそしていませんが、資本主義故に、デフレによる失われた20年とか、同じ仕事なのに、正社員と派遣社員で給料を区別したりとか、資本主義の成長のために、誰かを犠牲にしている点では同じです。
②旧陸軍の熾烈な出世競争
陸軍では、士官のポストを巡る出世競争がありました。軍人の人数のわりに、上位のポスト(役職)が少なかった。
そこで、満州事変が起こって、現場の軍人(石原完爾)が好き勝手に軍事行動を起こすことができる先例ができました。
満州事変は、恐慌で苦しむ日本の満州での権益を守るために、満州の日本の利権を守るために、駐留している関東軍が必要に迫られてした軍事活動ですが、政府や外交を無視した点が問題。
軍人は、戦闘に勝つと褒美として地位が上がります。=出世します。その出世のきっかけを自分で作ることができます。
父が、東北出身の武士で、薩長土肥でないのであまり出世できなかったコンポレックを持っていた東条英機は、出世にすごくこだわりがありました。彼は、満州や日中戦争で出世を重ね陸軍大臣はおろか、内閣総理大臣になりました。
そして、内閣総理大臣になって、日米開戦を防ぐ(太平洋戦争を防ぐ)事を天皇に要求されタのですが・・・・アメリカの要求(日本が中国から手を引く)=自分の経歴(出世のきっかけ)ですから、中々難しいですよね。
そもそも、たとえ、もっともらしい大義があっても、本質は自分の出世のための戦争をしていたので、戦争を終わらせるという視点は当時の陸軍には無いんですよね。(満州事変の石原完爾は出世して、日中戦争が始まるとき、彼は日中戦争は大義や戦争の行く末などを考えて、反対したのですが、部下に、石原閣下が満州事変をしたように、われわれもに中戦争をしているのですよ。なぜ止めるのですか?と突き上げを食らっている。)
日中戦争では、メリットよりデメリットが多くなってきて、陸軍でもこれ以上戦線を広げないようにすることを考えるようになるのですが、できなかった。不足は更なる戦線拡大で補う自転車操業をすることになり、東南アジアへの日本の進出は、アメリカとの仲をさらに悪くしていく。
★資本主義=拡大であり、拡大を支えるのが人の欲望なんですよね。
人の欲望は、昔も今もあるわけで・・・・