26 遺伝子の本体 (1) 肺炎双球菌には, 多糖類からなる被膜 (カプセル)をもつS型
菌と,被膜をもたないR型菌がある。 ネズミにS型菌を注射すると, ネズミは発病し
て死ぬが, R型菌を注射しても発病しない。 グリフィスは,加熱殺菌したS型菌を
ネズミに注射しても発病しないが, 生きているR型菌と加熱殺菌したS型菌を混ぜて
注射すると,ネズミは発病してその血液から生きたS型菌が検出されることを発見
した。その後,エイブリーらはこのような現象を引き起こす原因物質が何であるかを
明らかにするために,次の実験を行った。(ア)菌をすりつぶして,タンパク質,
多糖類,脂質,DNA などの成分に分け,それぞれの抽出物(分画)を別々に(イ)
菌に加えて培養したところ、(ウ)分画のみが (イ)菌を(ア)菌に変化させる
はたらきをもつことがわかった。また,変化した菌の性質は分裂を繰り返しても変わ
ることはなかった。さらに,エイブリーらは、(ウ)分画を(ウ)を分解する酵素
で処理すると,そのはたらきが失われることを示した。その後,ハーシーとチェイス
は,細菌に感染するウイルスの一種である(エ)は自身の(オ)のみを宿主であ
る(カ)の菌体内に注入することによって増殖することを明らかにした。