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●三角形の合同を利用して面積を求める
台形の土地の面積をはかる方法
図1は、江戸時代の土地の測量 (検地) のようすを
表したものです。
土地になわをはって、 そのなわの長さから、
台形の土地の面積を求めています。
その方法は、 図2を使って、 次のように説明できます。
台形の土地の面積をはかる方法〉
図1の台形の土地を、図2の台形ABCD で表します。
ここで、AD<BC, DAB= ∠ABC=90°とします。
線分ABの中点をE, 線分 DC の中点をFとして,
線分 EF の位置になわをはります。 このとき
AD // EF となります。
図1
「徳川幕府県」より
図2
A
G
D I
・線分AD上に点 G, 線分 BC 上に点Hを, EFGHと
なるようにとり, 線分 GH の位置になわをはります。
はった2本のなわの長さをはかり、その積 (EF×GH)
が台形の土地の面積になります。
E
F
B
H
読みとりのポイント
問題文の情報を整理する
•∠DAB= ∠ABC=90°
・点Eは線分ABの中点
・点Fは線分DCの中点
.
AD // EF
⚫EFIGH
・台形 ABCDの面積
とEF×GHは等しい。
(1) 図2について, ななみさんは次のように考えました。
(ア)~(ウ) にあてはまる記号を書きなさい。
点Fを通り, 線分ABに平行な直線と,
ABJI
直線AD, BC との交点をそれぞれ I J とすると,
EF × GH は、 長方形 (ア)の面積になります。
三角形(イ)と三角形 (ウ) が同じ面積なので、
EF × GH は台形ABCD の面積に等しくなります。
(1)
DFI
(ウ)
CFJ
EFとGHは、長方形ABJIの横の長さと縦の長さになるので
EF×GH は, 長方形ABJIの面積になる。 NO
長方形ABJI と台形ABCDとで異なる部分が,△DFIとCFJである。
長方形 ABJI
=五角形ABJFD + ADFI
台形 ABCD
=五角形ABJFD+ ACFJ
(2) (1)の下線部を次のように証明しました。 証明の過程を書きなさい。
仮定から導けることを
整理する
・四角形 AEFIは
長方形だから,
EF=AI
EFは長方形ABJI の
横の長さ
・EFIGHより,
同位角が等しいから、
AB // GH
四角形 ABHG は
長方形だから.
GH=AB
GHは長方形ABJIの
縦の長さ
また,
にはあてはまる合同条件を書きなさい。
ただし,(イ) (ウ) には,(1)と同じ記号があてはまります。
(証明)
ACFJにおいて,
LIAB=∠ABC=90°, AB//IJ だから, DIF = ∠CJF=90°
対頂角は等しいから,
① ② ③ より
[UF-CT
<DFI= ∠CFJ
直角三角形で,斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいから,
ADFI= ACFJ
したがって, (イ) =△(ウ)
別解
仮定から,
対頂角は等しいから,
DF=CF
∠DFI=∠CFJ
AI // BCより、平行線の錯角は等しいから、ID=∠CF
① ② ③より, 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいから,
ADFI= ACFJ
(2)
直角三角形の合同条件を
...... 3
確かめる
2つの直角三角形は,
次のどちらかが成り立つ
とき合同である。
斜辺と1つの鋭角が
それぞれ等しい。
・斜辺と他の1辺が
それぞれ等しい。