例:(聖モ)無常を心にないだ
(聖も) 無常を心にかけていらっしゃったとうかがう。
二 次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。(一部省略)
くわさ
延喜の、世間を作法したためたまひしかど、過差をばえしづめさせ
醍醐天皇は
世間の風俗習慣をお取りしまりになったが
過度のぜいたくを抑えなさることが
さうぞく
たまはざりしに、この殿、制を破りたる御装束の、ことのほかにめで
できないでいらっしゃった時に、左大臣時平公は
うち
2)
てんじゃう
たきをして、内に参りたまひて、殿上にさぶらはせたまふを、帝、
宮中に
殿上の間に
こじとみ
しきじ
小蔀より御覧じて、御けしきいとあしくならせたまひて、職事を召し
蔵人
いち
臣下の最高位
びん
て、「左のおとどの、一の人といひながら、美麗ことのほかにて参れる、
便なきことなり。はやくまかり出づべきよし仰せよ。」と仰せられけ
不都合なことである
れば、承る職事は、いかなることにかと怖れ思ひけれど、参りて、わ
(
かしこま
ななくわななく、「しかじか」と申しければ、いみじく驚き、畏り承
りて、急ぎまかり出でたまへば、御前どもあやしと思ひけり。
先払いの者たちも不思議なことだと思った
ひとつき
さ
さて、本院の御門一月ばかり鎖させて、人などの参るにも、「勘当
時平公は家の門を
おとがめ
重ければ」とて、会はせたまはざりしにこそ、世の過差はたひらぎ
なくなって
たりしか。うちうちによく承りしかば、さてばかりぞしづまらむと
みこころ
て、帝と御心あはせたまへりけるとぞ。
こんなふうにしてこそ
(大鏡)