2 細菌が, 呼吸に用いる基質の割合を調べるために次のような実験を行った。
グルコースを基質として, ある細菌を一定時間培養し,ふえた細菌を集め, グルコースが残
らないように処理したものを右図の容器に入れた。容器はAおよ
びBの2つを用意した。 容器内の小さなびんに入ったろ紙に,容
器Aでは二酸化炭素を吸収するための水酸化カリウム水溶液が,
容器Bでは水がしみ込ませてある以外は同じである。 容器Aと容
器Bの細菌に,乳酸とピルビン酸をある割合で混合した溶液を同
じ量それぞれに添加後、ただちに栓をし、撹拌(かくはん) を開始
した。 実験開始から1分後の容器Aと容器Bの体積変化を読み取っ
容器Aでは 5.0mLの減少があり, 容器Bでは0.6mLの増加があった。
ピルビン酸(CH40g) および乳酸 (C3H6O3) をそれぞれ酸素を用いて二酸化炭素と水
2C3H403+50236CO2+4H20
まで完全に分解されたときの反応式を答えよ。
(2)
8,³2² 1 =73C02 + 3H ₂0
レコースが二酸化炭素と水にまで分解される過程で酸素が直接用いられるのは、
大きく分けると3つの反応過程からなる呼吸のうちのどの過程か, 答えよ。 電子伝達系
(3) 文章中の下線部の結果から, 集めた細菌による1分間の酸素の消費量および二酸化炭素
の発生量を求めよ。 なお, 実験中には細菌の死滅も増加もなく、 また、 細菌成分の酸
素との反応や分解は起こらないと考えてよい。 5ml 5.6m²
(4) (3) で求められる呼吸商の値と (1) の値を使って、 細菌の呼吸に用いられたピルビン酸と
乳酸の比を整数で答えよ。
9:5
ろ紙
色水
(この動きで体積
変化を読み取る)
細菌を
集めたもの
回転子(磁石で回転させ撹拌する)
図 細菌の呼吸について調べる実験