第2問 次の文章を読み、 後の問い (問1~5)に答えよ。(配点 20 )
ある生徒は、「血圧が高めの人は、塩分の取りすぎに注意しなくてはいけない」と
いう話を聞き、しょうゆに含まれる塩化ナトリウムNaCl の量を分析したいと考
え、文献を調べた。
しょうゆ
A
B
C
2023年度 化学基礎/本試験 23
表1 しょうゆ A~Cの実験結果のまとめ
操作Ⅱではかり取った
希釈溶液の体積(mL)
5.00
5.00
10.00
操作Vで記録したAgNO
水溶液の滴下量(mL)
14.25
15.95
13.70
化学基
文献の記述
水溶液中の塩化物イオン CIの濃度を求めるには, 指示薬として少量のク
ロム酸カリウム K2CrO を加え, 硝酸銀 AgNO3 水溶液を滴下する。 水溶液中
のCI- は,加えた銀イオン Ag+ と反応し塩化銀AgCl の白色沈殿を生じる。
Ag+ の物質量がCI と過不足なく反応するのに必要な量を超えると
過剰
(a).
な Ag+ とクロム酸イオン CrOが反応してクロム酸銀 Ag2CrO4の暗赤色沈
殿が生じる。 したがって, 滴下した AgNO3 水溶液の量から, CI-の物質量を
求めることができる。
問 下線部(a)に示したCrOに関する次の記述を読み、後の問い(ab)に答
えよ。
この実験は水溶液が弱い酸性から中性の範囲で行う必要がある。 強い酸性の
水溶液中では次の式(1)に従って, Croからニクロム酸イオン Cr2O7が
生じる。
ア2 Cro²+ イ 2H+→ ウ Cr2072 + H2O (1)
08
そこでこの生徒は、3種類の市販のしょうゆ A~C に含まれる CI の濃度を分
析するため,それぞれに次の操作 I ~Vを行い, 表1に示す実験結果を得た。 ただ
し、しょうゆには CI-以外に Ag+ と反応する成分は含まれていないものとする。
操作 Ⅰ ホールピペットを用いて, 250mLのメスフラスコに 5.00mLのしょうゆ
をはかり取り, 標線まで水を加えて, しょうゆの希釈溶液を得た。
操作Ⅱ ホールピペットを用いて, 操作Ⅰで得られた希釈溶液から一定量をコニカ
ルビーカーにはかり取り, 水を加えて全量を50mLにした。
したがって, 試料が強い酸性の水溶液である場合, Croは Cr2O72に変
化してしまい指示薬としてはたらかない。 式 (1) 反応は、クロム原子の酸化
数は反応の前後で I
ChO4z-
Ch÷8=-220n-14=-
Cr=6
2cr:1
a
式(1)の係数
ア
ウ
に当てはまる数字を後の①~ ⑨ のうちか
ら一つずつ選べ。 ただし, 係数が1の場合は①を選ぶこと。 同じものを繰り
返し選んでもよい。
ア
102
イ
112
ウ
12/
操作Ⅲ 操作Ⅱのコニカルビーカーに少量のK2CrO4 を加え,得られた水溶液を試
料とした。
操作ⅣV 操作Ⅲの試料に 0.0200mol/Lの AgNO3 水溶液を滴下し,よく混ぜた。
操作V 試料が暗赤色に着色して,よく混ぜてもその色が消えなくなるまでに要し
た滴下量を記録した。
① 1
(6
6
⑦ 7
27
③3
4
5
8
9
9