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思考例題 7 間接効果を整理する
下の図は,ある海域に生息する生物の関係を示したものである。 図の空欄①~④には、
ウニ、アザラシ, ラッコ, ジャイアントケルプのいずれかが当てはまる。
人間
魚類
①
シャチ
②
3
は捕食を表す。
図を参考にして,人間の漁業活動が縮小した場合 この海域における生態系全体に及
ぶ影響を述べよ。
(20. 玉川大改題)
指針 食物連鎖のつながりから, 特定の生物が増加または減少したとき, その生物と直
接関係する生物が増加もしくは減少するかを考え、他の生物も同様に考えていく。
次の Step 1~4は,課題を解く手順の例である。 空欄を埋めてその手順を確認せよ。
Step 1 ①~④に当てはまる生物を検討する
生産者である ( 1 )が,食物連鎖の起点である④となる。 ( 2 )は海底で生活し,
( 1 )を摂食することから ③, ( 3 )は二枚貝や ( 2 ) を捕食するので②となる。
したがって, ① は ( 4 ) となる。
Step 2 漁業による魚類や①への影響を考える
人間による漁業活動が縮小すると, 魚類の個体数が 5 ) し, 魚類を捕食する①が
( 6 )すると考えられる。
Step 3 シャチの捕食行動について考察する
シャチが ① ② を捕食する際に, 好みがなく, 見つけてから捕らえるまでの労力に差
がないとすると, 捕食のされやすさは, 発見されやすさによると考えられる。 そのため,
個体数がふえて発見されやすくなった
)が多く捕食されるようになると考えられ
)がシャチに捕食される確率が下がり, その個体数が増加する。
る。その結果,(
Step 4 他の生物について影響を考察する
この海域における生物の関係から、二次消費者である② が増加すれば, 一次消費者は
( 9 ) し, 生産者は ( 10 ) すると予想される。
第5章
生態系とその保全
Stepの解答 1… ジャイアントケルプ 2.ウニ 3 ラッコ 4… アザラシ 5増加6・・・増加
7…アザラシ 8 ラッコ 9…減少 10・・・増加
課題の解答 人間の漁業活動が縮小すると、魚類の個体数は増加する。 魚類が増加するとそれを捕食する
アザラシが増加する,シャチはアザラシとラッコを捕食するが、個体数が増加して発見しやすくなったアザ
ラシを多く捕食するようになると考えられる。そのため、捕食される量が減少したラッコの個体数は増加し
て、ウニの個体数が減少する。 その結果, ジャイアントケルプは増加する。
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