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53.くたてばねによる単振動〉
図のように、なめらかで十分長い直線状の棒 OP を鉛直に立てて
端を水平な床に固定した。 この棒に, 同じ質量mの穴の開いた小さ
い物体A,Bを通した。 物体Aには, ばね定数んの軽いばねをつけ,
ばねの他端は棒のO端に固定した。ばねは OP 方向のみに伸縮し,棒
と物体A,Bの間に摩擦はないものとする。さらに, 物体Aのばねと
は反対側に質量と厚さの無視できる接着剤で物体Bを接着した。 物体
x=0-
物体B
接着剤
物体A
A,Bが押しあうときは物体AとBは離れないが,引きあうときは引きあう力の大きさが接
着剤の接着力以上になると物体AとBは離れる。重力加速度の大きさをgとする。
初めに,ばねはその自然の長さからd だけ縮んで, 物体 A, B はつりあいの位置に静止し
ていた。図のように,このつりあいの位置を x=0 とし,鉛直上向きを正とするx軸をとる。
(1) 自然の長さからのばねの縮みd を,m, k, g を用いて表せ。
まず, 接着剤の接着力が十分大きく, 物体AとBが離れない場合を考える。 物体Bをつりあ
いの位置から6だけ押し下げ, 静かに手をはなすと, 物体AとBは一体のまま上下に振動した。
(2)この振動の周期を,m, k を用いて表せ。
(3)この振動をしているときの物体A, B の速さの最大値を,m, k, bを用いて表せ。
物体AとBが一体のまま運動しているときの両物体の位置の座標をxとする。また,物体
Aが物体Bから受ける力をTとし, x軸の正の向きをTの正の向きとする。 つまり,Tが
正のときは物体AとBは引きあっているが,Tが負のときは押しあっていることになる。
(4)このとき, 物体Bにはたらく力を, m, g, Tを用いて表せ。 x 軸の正の向きを物体Bには
たらく力の正の向きとすること。
(5) 物体A, B の運動方程式を考えることで, Tを,m, k, g,x を用いて表せ。
図 (6) Tをxの関数として, -3d≦x≦
とする。
の範囲でグラフに描け。 ただし, ここではb>3d
次に,接着剤の接着力が小さく, 物体 A, B間の引きあう力の大きさが mg 以上になると,
物体AとBは離れる場合を考える。ただし,離れる瞬間の前後で,物体AとBの運動エネル
ギーや, ばねの弾性エネルギーは変化しないものとする。
物体Bをつりあいの位置から6だけ押し下げ,静かに手をはなすと, 物体Bは運動の途中
で物体Aから離れた。
(7)運動の途中で物体Bが物体Aから離れるためには,bはある値 6 以上でなければならな
い。 bı を,m, k, g を用いて表せ。
(8) 物体Bが物体Aから離れた瞬間の物体Bの速さを,m,k,g. 6 を用いて表せ。