例題102
「すべて」 と 「ある」 の否定
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次の命題の否定を述べて, もとの命題とその否定の真偽を調べよ .
(1) すべての三角形の内角の和は180°である
(2) ある整数の組 (a, b) があって, a2+62=89 となる
(3) 任意の2つの無理数について,その積は無理数である
[考え方]
「すべて」と「ある」を含む命題の否定では,「すべて」と「ある」を入れ替えて,その
結論を否定すればよい.
たとえば,「整数x, y, zはすべて偶数である」の否定は(「整数x, y, zはすべて奇
数である」としてしまうと,「x, yは偶数でzは奇数」という場合などがどちらにも入
らない。) 「x,y,zのうち少なくとも1つが奇数」であればよいので,否定は「整数」
y, zのうち, ある整数は奇数である」 となるのである.
命題とその否定は,一方が真ならば他方は偽である.
解答 (1) 否定 : 「ある三角形の内角の和は180°でない」
すべての三角形の内角の和は180° であるから, も
との命題は真である
もとの命題が真なので,否定は偽である.
(2)否定 「すべての整数の組 (a, b) について,
a' + 62 ≠89 である」
a=5, 6=8 のときa2+b2=89 となるから, もと
の命題は真である。
al
もとの命題が真なので, 否定は偽である。 a=5, b=8 が反例と
(3)否定 「ある2つの無理数について, その積は有理
数である」
なる.
2つの無理数を√28 とすると,その積は
√2×8=4となり,有理数となるので,否定は真
である。
否定が真なので,もとの命題は偽である.
無理数の否定は有理数
である.
√2 x√2 2 なども
考えられる。
2つの無理