回答

答えは(エ)ですね。
Bは図形表現図(この場合に限っては広義の階級区分図でもありますが)、他は図形表現図ではない階級区分図です。
人口というのは実数ですね。この地図を作った人はある区の人口を伝えたいわけではないんです。A区は何人と伝えたいなら図ではなく数字で伝えたほうが分かりやすいです。A区よりB区は何人多いとかが伝えたい場合も図より表などでまとめた方が分かりやすいです。表よりも地図で示したほうが伝わりやすいのは、「東の方に人口が集中してるなー」というような地理的分布なんですね。実数を示しつつ密度の偏りを伝えたいわけです。こういう実数値を階級区分して色分け地図を作ると、大きな区ほど密度が高いかのような勘違いを誘発する地図になります。例えば都道府県地図で県別人口の規模を黒~灰~白で表現すると、東京や神奈川、大阪はもちろんですが、北海道も濃い色になります。面積が大きいからそれだけ人口も多いというところと、小さいけれど密集しているから人口が多いというところが同じ色になったりするわけです。これでは北海道も東京や大阪同様に人口が集中的に分布しているように捉えられてしまいます。こうした誤解を与えないためにも、通常実数を表現したい場合は図形表現図、流線図、ドットマップなどで表現するのが適切であると考えられています。
 一方、昼夜間人口比率は実数ではなく比率=割合ですから、階級区分図での表現が適切と考えられます。面積の大小に関係なく他区と単純比較ができるからです。ただこの問では適切な地図の種類を考えさせるのではなく、階級区分の方法が適切かどうかが問われています。地図作成者は何を伝えようとしているのかを想像し、それが上手く表現できる地図に仕上がっているかという視点で考えることが求められます。昼夜間人口比率の場合、夜間人口に対して昼間人口がはるかに多いところが、居住空間はわずかで就業の場が集積した都心地区、逆に昼間人口を超える夜間人口が分布するところが通勤者の住宅地区。名古屋の場合どの区が都心でどの区が住宅地区なのかということが地図を見るものに伝わらなければならないわけです。郊外住宅地区の位置はC、Dどちらの地図でも変わらず読み取れますが、都心の位置はCよりもDの方がより具体的に把握できるという点で、Dの方が的確な階級区分がなされていると判断できるわけです。

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