企業の研究者です。ラディカルイノベーションというのは狭義の革新のことですね。
既存のサービス・製品をつくる上で組織は細分化・役割分担が進み、そのための風土と人間関係ができあがります。
すでにある製品ラインナップごとに部課のラインが会社にはあります。たとえな部課同士の取り決めなどは、部長の承認を得た書類を明文化するなどの一定のしきたりがあります。
ここに既存製品との連続性がない製品やサービスをはじめようとすると、そのような役割の部門は最初は存在しません。「寄せ集め」のメンバーと取りかかることになります。ここでこの寄せ集めメンバーに支援（研究費の割り当て、研究設備の増強、人員の強化）というものがなされればよいわけですが、すべての会社がそうではないでしょう。
長年同じものをつくって会社では、会社の主力を担っている部門の発言力が相対的に強いため、海のものとも山のものとも知れない新製品にたいしては、反対意見をだしてくるかもしれません。そんな余分な研究をすれば、会社の利益が目減りして、次のボーナスも減ってしまう。サラリーマンなら当然の感情でもあります。
このような、組織にはびる「硬直化」というのが経営学では一つのキーワードだったと記憶してます。
さいわい、私の場合は最初は「寄せ集め」というか一人で始めた研究も、いまは5人程度の部隊になって、研究予算も年間3000万円くらいつき、専用の実験場ももうけることができ、イノベーションに向かう土俵を手に入れることができました。
