このアプリで質問に答えて3年ほどになりますが、
この参考書のこの問題についての質問が、1番多いです。2ヶ月に1回くらい見かけます。
4つの選択肢は全て、believeを受動態で使っていますよね。He is believedとなっていますから。
でこれを、
「彼が〜だと信じられている」
↓
「人々は、彼が〜だと信じている」
というふうに捉え直して、
能動態の形から考えてみましょう。
believeという動詞は主に2つの形が取れるんです。
[A] People believe that he made a fortune in his youth.
これは、that節のまとまり全体がbelieveの目的語になっています。S・V・O(=that節)の第3文型です。
[B] People believe him to have made a a fortune in his youth.
これはbelieveの目的語はhimで、その後ろのto不定詞のまとまりは補語になります。
S・V・O(=him)・C(=to have made a fortune in〜)
の第5文型です。
[A]だとthat節で書いているものを、
[B]では目的語+to不定詞で書いているんですね。
注意しないといけないのはto "have made"となっていることです。
[A]では
People "believe" that he "made"〜
主節の動詞は現在形・that節の動詞は過去形
となっていて時制の差があるんですね。
[B]ではこれを表すために
People "believe" him "to have made“〜
という完了不定詞を使います。
to不定詞を過去形にできたら、こんなことしなくていいんですが、
to不定詞っていうもの自体が「動詞の原形」のことだから「動詞の原形」を「過去形に直す」ということはできませんよね。
過去形に直したら原形じゃなくなっちゃう。
だから過去形に直す代わりに完了不定詞にしてやるんですね。
ご丁寧にありがとうございます!質問なんですが、「[A]ではPeople "believe" that he "made"〜主節の動詞は現在形・that節の動詞は過去形となっていて時制の差があるんですね。」と書かれていますが、大過去じゃないから時制の差があるということであっていますか?
>大過去じゃないから時制の差があるということであっていますか?
すみません、言ってる意味がよくわかんない、
けど間違いなく違うと思います。
大過去っていうのは、過去形の過去よりさらに過去 のことですよね。
なんで話に1回も出てきてない、大過去っていうのが出てくるのかよくわかんないし、
そもそも大過去っていうのを考えるときは
過去のさらに過去 っていうふうに時制の差が絶対にあることを前提としてるものだから
「大過去じゃないから時制の差がある」は絶対おかしいし
「時制の差」っていう言葉を習った時に
「大過去が云々」っていうのも一緒に習ったんでしょうけど
多分それ混乱してると思うから、一旦全部忘れて
冷静に説明だけを読んでください
believe とmade だから
現在形と過去形だから
時制に差があるでしょう?現在と過去
believeとmake 現在形と現在形
believedとmade 過去形と過去形
時制に差がありませんね
例えば believedとhad made だったら
過去形と過去完了形(=大過去) だから差がありますよね
believe と had made 現在形と過去完了形
これは形としてはありえるのですが
大過去っていうのは、過去形の過去の、それよりさらに過去のことだから、
現在形が出てきて、そのあと過去形が出てきてないのに過去完了形が出てきた場合、それを「大過去」の用法と考えることは100%ない。
現在形の現在 より先に起こったことを言いたいんだったら過去形で言えばいいからです。
そしてその過去形よりさらに先に起こったことを言いたくなったときに初めて「大過去」を持ち出す必要性が生じます。
理解出来ました!ご丁寧にありがとうございます!
で、次に[A][B]を
能動態→受動態に直してみましょう。
受動態というのは、
能動態の目的語を主語の位置に持ってきて、意味が変わらないように書き換えた文のことです。
He loves her 彼は彼女を愛している
↓
She is loved by him 彼女は彼に愛されている
目的語を主語にして、かつ文の言ってることは同じですね。
[A]の受動態は
目的語を主語に持ってきて、その他の部分も書き換えると
That he made a fortune in his youth is believed (by people)
となりますが、
普通はthat節を主語にしないで形式主語を置きます。
だから
[A'] It is believed that he made a fortune in his youth.
になります。
[B]の場合は目的語はhimだけだから
これを主語にして全体を書き換えると
[B'] He is believed to have made a fortune in his youth.
となります。
ここまでを踏まえて選択肢と見比べてみてください。
選択肢①は[A']に似ていますが
that he has made となっているのが間違いです。
過去形ではなくて現在完了形になっている。
in his youthというのは「彼が若いころ」という意味で、現在とは関係のない過去の出来事の話をしているとわかりますよね。だから過去形じゃないとダメで、現在完了ではダメなんです。
細かい理屈は省きますが特に時制のことを考えるとき
現在進行形と現在完了形は、現在形の仲間
(だから現在時制)
と覚えておくといいです。
選択肢①は
過去の話をしてるのに、現在時制の表現(現在完了形)だからダメ
選択肢②は
He is believed の後ろにthat節は取れません。
He is believedってことは
能動態なら believe him to V となってるはずですね。
そもそもthat節を使う型でない
あるいは、
He believes that〜ならば「彼は〜ということを信じている」ということでOKですが
He is believed ってなったらその後ろには目的語は取れません。
目的語が主語の位置に出てきて受動態になっているんだから、逆に言えば受動態になったら目的語はないはず。
一般に
SV・SVC の文(=自動詞の文)は目的語がないから受動態に直すことはできません。
SVOの文は受動態にすると、SVの文型になります。
He(S) / loves(V) / her(O)
She(S) / is loved(V) / by him(M 副詞のまとまり)
SVOOの文は2つ目的語があるから、
受動態にするとSVOの文型の文が2種類できます。
(実際には片方しか正しいとされなかったりする場合もあるのですが、あくまで理屈上は)
SVOCの文は、受動態にすると、SVCの文型になります。
選択肢③④は、③が正しくて④は誤り
これは先に説明したとおり
信じられているのは現在のことなのに対して、make a fortuneしたのはin his youthと言ってるから過去のことなのです。
つまり主節とto不定詞の部分に時制の差があるから、完了不定詞を使うのが正しいですね。