couldはここでは普通の「可能」の意味ですが、今回の文の場合単純な方法できれいな日本語にするのは難しいです。
「〜できる/できた」としてしまうと、「確定申告書の準備を始めることができる前に」となってしまって、日本語としてうまくいかなくなってしまう。
つまり、「できる」の部分と「前に(見る必要がある)」の部分がマッチしないのですね。
ただこれは、純粋に日本語の問題であって、英語自体は1番単純なcanの用法で、時制の一致でcouldになっているだけです。
だからこれをスムーズな日本語にするには、原因となっている「できる」「前に」という日本語のどちらかを削除するなり改めるなりしてやればよいです。
①単純なのは couldを訳すことを諦めること
彼は、彼女の確定申告書を準備し始める前に、それらを見る必要があった
② A before B の関係に着目してbeforeを意訳すること
beforeは「〜の前に」という意味なんだけど、AとBという2つの情報の関係から考えると
A before B 「Bする前にA」ということは、
当然「AしたあとB」ってことでもありますよね。
つまり
確定申告書を作り始めることができる 前に それらを見る
それらを見た あと 確定申告書を作り始めることができる
これはAとBの関係性ってことで言えば
イコールです
これをさらに進めていくと
それらを見た あと 確定申告書を作り始めることができる
それを見なければ 確定申告書を作り始められない
↓
確定申告書を作りはじめるためには、それを見る必要があった
というふうに、直訳できない場合、
前置詞句は前置詞の前後の関係が変わってしまわないように、というのが意訳のポイントになります。
加えて
今回はcouldをなんとかスムーズな日本語にするために、beforeの部分を改変したので、beforeの部分もcouldの部分も改変しちゃうと、ちょっとやりすぎかなぁと個人的には思います
直訳しすぎるのことはかえって混乱を招くんですね
良いことを学びました!分かりやすい解釈ありがとうございました!