国語
中学生

かなり難しい問題です
お願いします😭✨助けて🆘😱‼️

6:59回・ 「もう、疲れた。俺の方が死にたい気分だよ」 百マイルを走りおえたとたん、支えが折れてしまった。 胸の中 がからっぽになってしまった。 「唄ってよ、早く」 はな をすすり上げて、安男は唄いだした。 「イフ・ユー・ミー・ザ・トレーナー・モー・ユー・ウィルノー・ ザ・アイアム・ゴー・・・・・・」 ふいに波の砕け散るテトラポッドから、面の釣り人がはい上 がってきた。 ランニング・シャツの隆々たる肩が真赤に灼けてい る。 安男は唄うのをやめた。 344 釣り人は訝しげに二人を見つめ、仁王立ちに立ちはだかって つりざお 釣竿の先を安男に向けた。 「おまえな、さっきから聞いてりゃ、ぜんぜんちがうんだよ。 頭 にきた」 ふともも 地元の漁師だろうか。 バミューダ・ショーツから抜き出た太腿 はたくましく、剛毛に被われていた。 釣り人の影が太陽を遮った。 「大きなお世話です」 「いいか、イフ・ユー・ミー、じゃない。 イフ・ユー・ミス。わ かるか。 ザ・トレーナー・モー、ってなんだ。 それは、ザ・トレ イン・アイム・オン」 どうやら漁師ではないらしい。 発音は妙に垢抜けている。男は 釣竿の先を振りながら、突然大声で唄い始めた。 omn 「If you miss the train I'm on You will know that I am gone You can hear the whistle blow A hundred milesどうした、唄えよ、ほら」 怪しむより先に、唇が動いてしまった。 一節を唄いおえると、男は「グーッド」と言ってにこやかに 安男の肩を叩いた。 「あの、すみません。 ついでに歌詞の意味を教えてもらえますか」 「おお、いい質問だ。とかく日本人は意味も知らずに横文字を口 にするね。 まことに愚かしい。 おかげで俺は、一年に三台もテレ ビをノックアウトする。 ゆうべも買ったばかりのハイビジョン を粉々にしてしまった」 「はあ......」 しょう 男は満面の無精髭をなで回しながら、気味の悪いほどの猫なで 声で歌詞を吟じた。 「もしもあなたが汽車に乗り遅れたら 私は行ってしまったと思って 汽笛が聞こえるでしょう 「If you miss the train I'm on You will know that I am gone You can hear the whistle blow A hundred miles-」 64 閉じる <
6:59回・ 百マイルの彼方から 百マイル、百マイル、百マイル、 百マイル ほら、汽笛が聞こえるでしょう 百マイルの彼方から......」 いおえると、男はぶ厚い唇をきつく結んで、安男の目を見た。 「百マイル、ごくろうさん。 サン・マルコ病院の曽我です」 挨拶は忘れた。 言葉を返すかわりに、安男は両掌で顔を被い、 声を上げて泣いた。 この人が、おかあちゃんを助けてくれる。世界中の誰も救うこ とのできないおかあちゃんの命を、この人が助けてくれる。 百マイルの道の涯に、この人はおかあちゃんを待っていてくれ た。 「どうして救急車を頼まなかったんだね。無茶だよ」 泣きじゃくる安男のかわりに、母が答えた。 「この子、頑固なんです。 意地になって......」 せつね 「おまえの意地で親を殺したら、 どうするつもりだったんだ」 自分はいったい何を考えていたのだろう。 安男は説論される少 年のように、自分の無茶な行いを悔やんだ。 「おかあちゃんは••••••母は、 どうせここまで持たないと思ったん です。だったら… 消毒の匂いのする救急車なんかより......」 「体の運転する車の中で、体の匂いのする毛布にくるまって、め でたく心停止と」 384 「すみません」 いいや、と曽我真太郎は力強い声で言った。 「俺は、おまえがたかだかの金をけちったのかと思った。 こっち の車を出そうとしたら、もう向こうを勝手に出発しちまったと言 うからね。 それも自前のワゴンで。だが、たいしたもんだ。 そこ のテトラポッドでおまえとおふくろさんの話を立ち聞きしてい 「おまえ、男だな」 た。 偶然とはいえ、耳に入っちまったんだー いいながら曽我医師は、母の前に屈みこんで、たくましい背中 を向けた。 はんぞう 「どうぞ。 ここからは俺が搬送しますよ」 「そんな….....」 母はとまどった。 「あんたの体は百マイルをつっ走って、もう力が尽き果てた。見 てごらんなさい、クジラの腹から抜け出された漁師みたいだ」 きっとそんな顔をしているのだろう。 たしかに精も根も尽き果 ててしまっていた。 軽々と母を背負うと、 曽我は戦士のように堤防を歩き出した。 「竿とクーラー、 持ってこい。 あわてるな、 もうおふくろの心臓 は止まらない」 安男は釣り道具を抱えて曽我の後を追った。輝かしい光の道 大きな背中が母を背負って歩いて行く。 渚にそびえ立つ、堅 砦をめざして。 浅田次郎 「天国までの百マイル」講談社) とりで かが 1 閉じる < |||
川口 6:59回・ ように 中から を迎え 打た 状態 できた 思いを知り、 危険を覚悟のう えで百マイルの道を走りきった決意の強さに改めて心を打 たれたから。 問6 本文からは次の文が抜けている。 戻す箇所の直後の五字を 抜き出して答えよ。 母を抱えて立ち上がろうとする安男の肩を、釣竿の穂先が叩く。 閉じる < |||

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