歴史
中学生
解決済み

至急です( •̀֊•́ ) ̖́-

なぜ院政をすると荘園が上皇に寄付されるのでしょうか??

教えて下さい🙏🏻💭

回答

✨ ベストアンサー ✨

これまた少し長くなります。

先ほどの質問で律令制は10世紀の段階で崩壊している事を説明しました。なのでその辺りから徐々に班田収授等はやめて、その代わりに国司に一定額の納税をするようにして、国司に地方行政を一任するようになります。そうなると国司職は利権化をする事になります。一定額の納税をすれば良いとは即ち、一定の額さえ国に納めれば、更に税を分捕っても問題ないということになります。
(例:一億の税を納めれば良い所、三億農民達から税を取れたなら、残りの二億は懐に入れることができる)

そして時代は摂関政治の全盛期。藤原道長やら頼道やらが政治を支配し、藤原氏やそのお友達以外の貴族は出世できなくなります。なのでそれ以外の2流3流の貴族達はそうした権力者や寺院神社に一生懸命ご奉公をして、地方の国司にして美味しい思いをしようとするのです。(道長は通称御堂関白と呼ばれますが、その御堂である法成寺の建設は道長は一切自費を使わなかったという話があるほど)

そしてご奉公に成功して地方に下った貴族は国司としてたっぷりと税を吸い上げていくことになるわけですが、それで困るのは地方にいる農民です。農民と言っても律令制の元で戸籍をずる賢くちょろまかしたりしてそこそこ富を得た有力農民です。
この有力農民は逆に貧困に困る農民を半ば雇う形で、土地を開墾して更なる土地を得ました。そんな所に国司がノコノコやってきて税をたんまり吸い取っていくのですから農民からしたらたまりません。なので今度は農民が自分の開墾した土地の利益の一部を都の中央貴族(藤原道長や寺院神社)に寄進します。その代わりに名目上の土地の所有者となってもらいます。
すると何も知らずノコノコと土地から税を取りに来た国司に「この土地は藤原道長様の土地であるぞ!」と脅せるのです。国司は任期がありますから、また国司になるには都の権力者に嫌われるわけにはいかず、その土地には税金をかけない不輸の権などで実質非課税の土地になるのです。
これが「寄進地系荘園」と呼ばれるものです。

まだまだ続きます。

そして更に時代は進み、時は院政期。
藤原摂関家の親類ではない天皇が即位をして、「荘園とはけしからん!」と藤原氏や寺院神社の荘園を禁止したり没収したりします。
そうなると国司は万々歳です。今までは忌々しい藤原氏の邪魔があって税を取れなかったけど、ついに邪魔者は消えた。さぁ徴税だ!となりますが、農民側は今度は院に土地を寄進することになります。院としても美味しい思いはしたいので、寄進を受けて、院の名義を貸すことになります。そうなると後は藤原氏や寺院神社の時と同じです。
こうした流れがあるので院政をすると荘園が上皇に寄進されるのです。簡単に言ってしまうと国司の徴税を逃れるために農民が時の権力者に土地を寄進する流れができていて、院政期の権力者は上皇ですから必然的に上皇の元に土地が集まるわけです。

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