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日本の未来についてです。日本が財政破綻する可能性について政府は「破綻しない」と言っていますが、ネット上では「破綻する」などの記事が見受けられます。実際にこれってどちらが正しいのでしょうか?
もし政府が間違っているのであれば、何を根拠に破綻しないと思っているのか詳しく教えてください。

財政破綻 経済破綻

回答

✨ ベストアンサー ✨

国の借金(=国債)が増えると経済破綻するかもしれない…となるわけですが、国債が増えたらどうなるのかを考えてみます!
①将来への負担が増える!
国債は未来からお金を借りている状態とも言えます
ただ政府の収入(=歳入)が足りなくなったからといって赤字国債を発行することは、財政法で禁止されてます
しかし、橋や道路などの公共財を作るための国債(建設国債)は、その公共財は長年使われるはずなのでOKとなってます
でも、建設国債を発行し続けたら…?
②財政の硬直化が起きてしまう!
過去に国債発行をしていた場合、当然政府の支出(歳出)で借金返済(国債費)をしなければなりません
しかし歳出の額は決まっているわけで、国債費が膨れ上がると歳出における国債費の割合が高くなってしまって、本来医療や福祉などに使えたはずのお金を借金返済に費やさなければいけないことになります
③クラウディング・アウトが起きてしまう!
そもそも日本の国債は海外からお金を借りているのではなく、銀行を通して国民から資金を吸収して調達したお金です
ので、国債が大量に発行されれば市場のお金が少なくなり、お金の価値が高まって企業が投資活動しづらくなります(借金して失敗した時のダメージがでかいから慎重にしよう…→経済成長ストップ)
このように、お金の価値が高まる(金利上昇)ことで民間の投資が抑制されてしまうことをクラウディング・アウトといいます

つまり政府が借金をすることで、未来の若者が更に頑張らなきゃいけなくなって、政府は借金返済に忙しくなり、国民のみんなは(お金がレアになってんじゃん…もっと節約しよ)って考えるわけです!
ので、もちろん国債がめっちゃ増えたら大問題、しかも日本は今国債をものすごく抱えてます!

長文なので、この回答のコメントに「日本の経済破綻について」ちゃんと答えますね〜

がりゅー

政府は過去に「2020年までにプライマリーバランスを黒字化する」と言ってます。
これはどういうことかというと、借金額(公債金)よりも借金返済額(国債費)を大きくして、2020年までには借金を減らしていくよ!って宣言してるわけです。
プライマリーバランス(PB)とは国債の増減を表し、PBが黒字であれば国債は減少していることになります。
しかし、2021年度のPBはコロナの影響もあり赤字…
このまま国債を増やし続けると金融市場のお金がなくなって金利急騰、国民が使うお金も少なくなって財政破綻しちゃう…!というのがニュースで言われている財政破綻です。

こんなことは高校生で習うので、読んでも意味が分からないかもしれません…説明が分かりづらくてで申し訳ない!
専門家でもこの問題は意見がわかれるので財政破綻するかしないか、これに正解はありません!
ここまで言っといて正解ないんかいという感じですが、こういうお金の問題は理論的だけでなく、心理的にも左右されるので一概にこうだとは言えないわけです笑

あと一つだけ!財政破綻のニュースには「言い過ぎ」なものがあるのでご注意を!
例えば、
「国と地方の借金を1万円札で積み上げると富士山の2700倍の高さになる」
…どう思いますか?借金と富士山の高さは関係ないですし、これはただただ「日本の経済やばいんじゃね?」と言いたいがための比喩表現です
このように、不安を煽るためだけのものがあります。
もっと具体的に議論、訴えをなされるべきです!
「日本の借金は赤ん坊からお年寄りまで全員が800万円の借金を負っているのと同じ」
なんか正しい気もしますが、これもうのみにすると危険です!
先程の長文でも記述した通り、国債は海外からではなく国民から銀行を通して借りているお金です。
ので、借金は私たちがしているのではなく政府がしていて、この比喩もおかしいということになります。
日本の財政状況は確かに悪いですし、財政破綻するんじゃね?いやしないだろっていう意見の説得力は双方にあります。
しかし、根拠がないのに「もう日本は終わりだ…」と悲観主義になったり「まあ大丈夫やろ!」と楽天主義になるのはいけません!
政治・経済で文系はこのようなことを学ぶので、関心だけは維持しておいてほしいです。
質問あればどうぞ!

t

 ご回答ありがとうございました。なるほど...今考えてみると、私はネットの記事をうのみにしすぎていたかもしれません。もっと日本の社会情勢を加味した上でこの問題を考えていく必要がありますね。

 質問ですが、プライマリーバランスについて聞きたいことがあります。ちょっと調べた程度の知識でおおざっぱにしか把握していないのですが、要は税金を増やして国債を減らすということですよね?

個人的な考えですが、日本国民は「増税」という言葉に多少敏感な気がします。もしコロナが流行らずに今に至るとしたら、国の思惑通りに政策が進んでいたのでしょうか?それともあまり伸びずに過ぎていたのでしょうか。

がりゅー

ブライマリーバランスの公式は
(歳入-公債金)-(歳出-国債費) であり、
要するに歳入における借金返済額が、歳出における借金額より上回っていれば黒字です!
では、この財政問題を解決するためにはどうすればよいのか…二つの方法があります
1つは、歳出を減らす!
でもこれは良い案とは言えません。近年は都市部に若者が流れていくため、家族や地域の繋がりが薄くなっています。これを「共助機能が低下している」と言いますが、みんなで助け合っていくのが難しくなっているのに、日本では少子高齢化が騒がれている…
こんな中で、社会保障費(医療・福祉)をケチることはできませんよね。
2つはtさんの言う通り、増税!
でも、造成だやったー!となる国民なんているはずないです。国民主権の日本は納税者が有権者であるから、その有権者に不人気な政策は先延ばしされるわけです…
それでも財政を建て直した方が良いと思われるかもしれませんが、日本は今インフレ(物価上昇)ではなく、デフレ(物価下落)と呼べる【様々な統計を見ると、日本は必ずしもデフレとはいえない】状況です。
デフレからの脱却より先に増税や歳出削減をすると当然不況、財政悪化します!
財政再建と景気回復のどちらを優先するか、またどのように景気回復するかでも意見が対立していきます。
また、不況の中で増税をすると、さらに景気が悪くなって逆に税収が減ってしまいます。
つまり、プライマリーバランスを黒字化するには増税して国際を減らしていけばいい!…と端的には言えず、様々な事柄が複雑に絡み合っているということです。難しいですね笑

コロナの影響がなかったら…? ということに関しては僕も分からないです…
自分はまだ高校二年生なので知識と経験がなさすぎます笑
僕自身、tさんと同じ疑問を持って調べたことがあったんですが、ぜんっぜん答えが見つかりませんでした!
政治・経済は倫理と深く関係しているように、政策の動向はその年の事件やトレンドに大きく左右されると思います。
今はウクライナで悲劇が起きていますが、日本もいつ北朝鮮に喧嘩を売られるか分かりませんし、コロナが流行らなかったらミサイルについてもっと騒がれ、憲法9条はどうするのか議論され、他の政策が疎かに…まあ想像ですが笑
日本人が増税に敏感、というのは抽象的かな…
正しくは消費税増税に敏感、所得税増税に鈍感ですかね?個人的な感想ですが。
消費税は水平的公平、所得税は垂直的公平であるといわれるのはご存知でしょうか。
消費税は誰でも同じ税率で納税するので、皆同じ負担
所得税は能力が高い人程多く納税しなきゃいけないので、負担の大きさが違う(累進課税)
税金といったら消費税のような気がしますし、消費税はとても身近な税の1つです。
消費税2%アップで凄く話題になりましたが、実は直近25年で所得税も2.1%アップしてます!
消費税の方は、低所得者にとって実質的負担が大きいものですし、消費税を払わずに暮らすことはできませんので皆敏感です。
ですが所得税は、勤めている会社が代わりに払って給料を頂いている(天引き)という人が多いので負担を感じさせないんですね。
中負担中福祉である日本(僕は中負担高福祉と習いました)は、先述したように増税しづらい国ですが、果たしてこれからどうなるのか…
選挙権を持っていない今のうちに色々知っていきたいですね!

がりゅー

うーわめっちゃ長くなっちゃった笑笑
読みづらかったらごめん!愛だと思って!!

t

追加の質問にも答えていただき大変ありがとうございます!
あまりにも懇切丁寧な説明だったので、がりゅーさんは大学生や先生なのかなと思っていました。
本当にありがとうございました。
あと、全然読みづらくなかったですよ(^^♪ むしろ人を引き付ける文章を見習いたいくらいです.

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