国語
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読む力
ーオム
その後、何か月かたった二月の寒い季節、また
貧しい夜がやって来た。花のパリというけれど
北緯五十度に位置するから、わりに寒い都で、九
月半ばから暖房の入る所である。冬は底冷えがす
る。その夜は猶が降った。私は例によって無理に
明るい顔をしてオムレツだけを注文して、待つ間、
本を読み始めた。店には二組の客があったが、そ
れぞれ大きな温かそうな肉料理を食べていた。そ
のときである。背のやや曲がったお母さんのほう
が、 湯気の立つスープを持って私のテーブルに近
寄り、震える手でそれを差し出しながら、小声で、
「お客様の注文を取り違えて、余ってしまいまし
た。 よろしかったら召しあがってくださいません
か」と言い、優しい瞳でこちらを見ている。小
さな店だから、今、お客の注文を間違えたのでは
ないことぐらい、私にはよくわかる。
こうして、目の前に、どっしりしたオニオング
ラタンのスープが置かれた。寒くてひもじかった
私に、それはどんなにありがたかったことか。涙
がスープの中に落ちるのを気取られぬよう、一
さじ一さじかむようにして味わった。フランスで
もつらいめに遭ったことはあるが、この人たちの
さりげない親切のゆえに、私がフランスを嫌いに
なることはないだろう。いや、そればかりではな
い、人類に絶望することはないと思う。
国際性、国際性とやかましく言われているが
その基本は、流れるような外国語の能力やきらび
やかな学芸の才気や事業のスケールの大きさなの
ではない。それは、相手の立場を思いやる優しさ
お互いが人類の仲間であるという自覚なのである。 5風際此
その典型になるのが、名もない行きずりの外国人
の私に、口ごもり恥じらいながら示してくれたあ
の人たちの無償の愛である。求めるところのない
隣人愛としての人類愛、これこそが国際性の基調
である。そうであるとすれば、一人一人の平凡な
いるか
次の文章を読んで、下の問いに答えなさい。
20河
ときの
2|イ
そ
は一
じた
考え覧
*「私
トリ
こ。
「私」
という言
きなさい
国際性の
日常の中で、それは試されているのだ
(今道友信「温かいスープ」
感感
<2
いません
店の人の親切のどんなところを「さりげない」と感
る。
小
じたのか。次の文の空欄に入る言葉を1は十字以内で
たのでは
考えて書き、2は二字で書き抜きなさい。
「私」のために用意したのに、注文を Tと
一オング
で言った点。
2
しかった
とか。 涙
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