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人々が、京上あるべしうたてし否やの評定ありくべき時に上の御気色恐れて、子細申人なかりだった。故筑後前司入道知家、遅参した。この事意見申すべきよし御気色ありかれば、申されけるは、「天竺に獅子と申す獣は、一切の獣の王に候不なれど余の獣を損ぜずと思ふ心は候はねども、その声を聞く獣は、みな肝失ひ、或は命絶え候ふとこそ承った。そうすれば、君は人を悩まさずと思しめなる御心はなされども、人はいかでか候はざらん」と申されけらば、「御京上は留まりぬ」と仰セありくべきほど、万人悦び申しけり。「聖人は心なし、万人の心もて心となり」と言った。人の心の願ふ所をまつりごとなり。これ聖人のすがたなり。

古文
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