国語
中学生
解決済み
解説の、「〜こういう人は減ってきていはいるが、」というのってこの文章のどこから分かるんですか?🙇♀️
こどものときから、忘れてはいけない、忘れてはいけない、と教えられ、忘れたと言っては叱られてきた。そのせいもあって、忘れる一
ことに恐怖心をいだき続けている。悪いときめてしまう。
学校が忘れるな、よく覚えろ、と命じるのは、それなりの理由がある。教室は知識を与える。知識をふやすのを目標にする。せっかく
与えたものを片端から、捨ててしまっては困る。よく覚えておけ。覚えているかどうか、Qときどき試験をして調べる。覚えていなけれ
ば減点して警告する。点はいい方がいいにきまっているから、みんな知らず知らずのうちに、忘れるのをこわがるようになる。
教育程度が高くなればなるほど、そして、頭がいいと言われれば、言われるほど、知識をたくさんもっている。つまり、忘れないでい
るものが多い。頭の優秀さは、記憶力の優秀さとしばしば同じ意味をもっている。それで、 生き字引というような人間ができる。
ここで、われわれの頭を、どう考えるかが、問題である。
これまでの教育では、人間の頭脳を、倉庫のようなものだと見てきた。知識をどんどん蓄積する。倉庫は大きければ大きいほどよろし
い。中にたくさんのものが詰っていればいるほど結構だとなる。
せっかく蓄積しようとしている一方から、どんどんものがなくなって行ったりしては“ことだから、忘れるな、が合言葉になる。とき」
どき在庫検査をして、なくなっていないかどうかをチェックする。それがテストである。
倉庫としての頭にとっては、忘却は敵である。博識は学問のある証拠であった。ところが、こういう人間頭脳にとっておそるべき敵が一
あらわれた。コンピューターである。これが倉庫としてはすばらしい機能をもっている。いったん入れたものは決して失わない。必要な一
ときには、さっと、引き出すことができる。整理も完全である。
コンピューターの出現、@ブキュウにともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた。
らえていたのでは、本もののコンピューターにかなうわけがない。 うきせごとれせか破目 て
S 細
【次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
( 1る )
コンピューター人間をこし
1U1
人間ということが問題になってきた。コンピューターのできないことをしなくては、というのである。
e入間の頭はこれからも、一部は倉庫の役をはたし続けなくてはならないだろうが、それだけではいけない。新しいことを考え出す工場
でなくてはならない。倉庫なら、入れたものを紛失しないようにしておけばいいが、ものを作り出すには、そういう保存保管の能力だけ
しかたが
だいいち、工場にやたらなものが入っていては作業能率が悪い。よけいなものは処分して広々としたスペースをとる必要がある。それ一
かと言って、すべてのものをすててしまっては仕事にならない。整理が大事になる。
倉庫にだって整理は欠かせないが、それは「
この工場の整理に当ることをするのが、忘却である。人間の頭を倉庫として見れば、危険視される忘却だが、工場として能率をよくし
ようと思えば、どんどん忘れてやらなくてはいけない。
そのことが、いまの人間にはよくわかっていない。それで工場の中を倉庫のようにして喜んでいる人があらわれる。工場としても、
倉庫としてもうまく機能しない頭を育ててしまいかねない。コンピューターには、こういう忘却ができないのである。コンピューターに
は倉庫に専念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない。
それには、@忘れることに対する偏見を改めなくてはならない。そして、そのつもりになってみると、忘れるのは案外、難しい。
例えば、何か突発の事件が起ったとする。その渦中の人は、あまりのことに、あれもこれもいろいろなことが一時に殺到する。頭の中
ヘどんどんいろいろなことが入ってきて、混乱状態におちいる。花然自失、
字は、心(りっしんべん)を亡くしていると書く。忙しいと頭が働かなくなってしまう。頭を忙しくしてはいけない。がらくたのいっぱ
いの倉庫は困る。
平常の生活で、頭が忙しくてはいけない。人間は、自然に、頭の中を整理して、忙しくならないようになっている。 Uんで
睡眠である。
眠ってからしばらくすると、レム(REM)睡眠というものが始まる。マブタがピクピクする。このレムの間に、頭はその日のうちに
あったことを整理している。記憶しておくべきこと、すなわち、倉庫に入れるべきものと、処分してしまってよいもの、忘れるものとの一
区分けが行なわれる。自然忘却である。 し
朝目をさまして、気分爽快であるのは、@夜の間に、頭の中がきれいに整理されて、広々としているからである。何かの事情で、それ
が妨げられると、寝ざめが悪く、頭が重い。
朝の時間が、思考にとって黄金の時間であるのも、頭の工場の中がよく整頓されて、動きやすくなっているからにほかならない。
である。
日
ぼうぜん一
これが「忙しい」のである。「忙」の
真ぐ白然でホ山が、
し1の
(注)*ことだから…一大事だから
問 傍線部の「ときどき試験をして調べる。覚えて、
とを意味するものとして、
(外山滋比古『考の整理学』
である。それに対して、工場内の整理は、
オ.夜の間だからこそ、脳にとって危険たと思われた忘右
間 本文の内容として、あてはまらないものを次のア~オから一つ選びなさい。
ア,今までの教育では、忘れることに多くの子どもが恐怖を感じ、覚えていることの多さが高い能力だと信じられていた。
イ,多くの情報を忘れずに覚えていることが、人の頭や記憶力の優秀さだと信じている人が、今の時代も増え続けている。
ウ,コンピューターが現れた今の時代は、覚える働きよりも、知的なものを生み出す働きとして人は頭脳を用いるべきだ。
エあふれるほどの情報は、時に頭の機能を低下させて、どうしてよいかの正しい判断ができないような状態を作り出す。
オ,人間にとっての睡眠は、あふれる情報をきちんと整理し、覚えておく必要のない情報を自然と忘れていく働きを持つ。
10 傍線部9の前の5行と最伐の1人dり、ソル地ノ
Vロ
TO 11
「コンピューターの出現、普及にともなって、人間の頭を倉庫として使うことに、疑問がわいてきた」 から
の3行の内容に、イがあてはまらない。イの「多くの情報を忘れずに覚えていることが、人の頭や記憶力の優秀
さだと信じている人」は、つまり “人間の頭を倉庫として使うことに、疑問を持たない人”。コンピューターの出
現、普及にともなって、こういう人は減ってはいるが、 まだまだおり、だから傍線部⑦の直前 「コンピューター
には倉庫に専念させ、人間の頭は、知的工場に重点をおくようにするのが、これからの方向でなくてはならない」
というのが、筆者の主張。
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