138.〈電気振動と電磁波の発生〉
図のように,起電力 E[V](E>0) の電池, 抵抗
値R[Q]の抵抗,電気容量 C[F] のコンデンサー,
インダクタンスL[H] のコイルからなる回路が
ある。コンデンサーには,電圧計が図に示した極
性でつながれている。また, 2つの電流計が接続
されており,それぞれの電流値I[A] と Ia[A] は、
図の矢印の向きを正とする。初め,スイッチSは
開いており,コンデンサーは帯電していない。ま
たムとIaはともに0であった。電圧計を流れ
る電流は無視できる。また,配線に用いた導線の抵抗, コイルの直流抵抗,および電池と電
流計の内部抵抗は無視できる。次の問いに答えよ。ただし, (10)以外では電磁波の発生は無視
I
E
R
する。
まず最初に,スイッチSを閉じた。
(1) その瞬間のIと Izの値を, L, C, R, Eのうちの必要なものを用いて, それぞれ表せ。
スイッチSを閉じてからしばらくすると, ILとIaは一定値になった。
(2) この状態における Lと Izの値を,L, C, R, Eのうちの必要なものを用いて, それぞれ
表せ。
(3) この状態において, コイルに蓄えられているエネルギーと, コンデンサーに蓄えられてい
るエネルギーを, L, C, R, E のうちの必要なものを用いて, それぞれ表せ。
次に,スイッチSを開いたところ, 回路に電気振動が生じた。
(4) スイッチSを開いた瞬間のI,と I,の値を, L, C, R, Eのうちの必要なものを用いて、
それぞれ表せ。
(5) 電気振動の周期T[s] を求めよ。
6) スイッチSを開いた瞬間の時刻を0として, 電流値I」を時刻t[s] の関数として求めよ。
ただし、電流の最大値をI。[A] とし, 答えはI。とTを含んだ式で表せ。また、 Iムとtの関
係をグラフにかけ。なお, 縦軸には電流の最大値I。を示せ。
リコイルに蓄えられているエネルギー U「J] を時刻 tの関数として求めよ。答えは Ioと
Tを含んだ式で表せ。
お,縦軸にはエネルギーの最大値ひU。【J] を示せ。
(3) コイルとコンデンサーは並列なので(コンデンサーの電圧)3(コイルの電圧)=0
(4) スイッチを開いた瞬間 → コイルの自己誘導により電流が流れ続ける
一方,コンデンサーの電荷は0だから電位差は0である。キルヒホッフの法
138〈電気振動と電磁波の発生)
OL)
C
i6) I-t 図を先にかいてから式を求めるとよい。
(8) Ucの式は,エネルギー保存則から求められる。
(1) スイッチを閉じた瞬間,コイルは自己誘道により電気抵抗がcoと考えてよ
いので電流は流れない。
(1) スイッチを閉じた瞬間
Iム=0A
R
則Iより
E-0-RIz=0
よって I=
R
号(A)
(2)十分時間がたつと
II2=0
(2) スイッチを閉じて十分時間がたっと、コンデンサーの放電が完了し,コンテ
ンサーには電流が流れない。すなわち I=0A※A←
一方,コイルの自己誘導はなくなり、コイルは導線と考えてよい。よって
E
R
断線
E
E-0-RI=0
ゆえに ム=(A]
全※A コイルの電位三
となり,並列につなが
ンデンサーの電位差も
っている。
スイッチを閉じてか
時間がたつまでに,ニ
サーには充電電流が行
その後,放電電流がこ
最終的には,電荷が
コンデンサーの電位
なって安定する。
R
(3) コイルに蓄えられるエネルギーUL[J]は「Uぃ=→LIP」より
LE?
U
2R2
コンデンサーに蓄えられるエネルギー Uc[J]は 「Uc=CV?」 より
をh
なーc-cxe=
I。
(4) スイッチを開いた瞬間, コイルは自己誘導によって電流
が流れ続け,右図のような回路になっている。コイルには
L
E
I。
(2)の電流が流れているので ム=ー[A]
R
導線
=ー号(A)
また,キルヒホッフの法則Iで, ム+Ie=0 より
I=-ム=-
(5) 振動電流の角周波数をω[rad/s]とする。図のように,回路に流れる電流を
『LAJ, その最大値を Io[A] とすると,コイルの端子電圧の最大値 VLo [V],
コンデンサーの端子電圧の最大値 Vo [V] はそれぞれ
R
L
1
1
三
oC
VLo=oL·Io, Vco=-1o また, Vio=Vco であるから oL=
2元
T=-
の
ーI
ゆえに
ビ-2元、LC [s]
よって,周期 Tは
の=-
VLC
(6) スイッチを開いた瞬間の電流は最大値
Io[A]であり,その後電流は減少してい
くから,そのグラフの概形は右のような
+cos 型である。
また,このグラフの関係式は
Io
一※B 問題文は,式を求め
グラフをかけという指示だが、
グラフをかいてから式を求め
るとわかりやすい。
先に式を求めるならば、電
流の瞬時値をIとおくと、
0
T
t
※B=
ム=locosot=I.cos(等り(A)
2元
ム=ムsin(等+る)
とおける。t=0 のとき, 電
流は最大なので
sind=1 つまり 8=
(7) (3) と(6)の結果より
U(t)=→LI cos(等りJ)
(8)電流の最大値は I。であるから, エネルギ Uct
Uo-
AAY
ーの保存より U(土)+Uc(t)=D→LI?
U。
2
よって Uc()=LIーU、(t)
sia(P+号)
0
T
2
T
t
=cos 0 の関係よ
2
り求めるIは
2元
"cos
ム=Iocos(等)[A)
グラフは上図。
) コンデンサーの最大電圧を Vo[V] とすると, エネルギー保存則
T
合※ C [参考] コイルから
の電磁波の発生について詳し
く説明すると次のようになる。
初めにコイル内には電流
ムによって磁場が生成され
ているが, ILが減少を始める
と,自己誘導によって,この
磁場の変化は妨げられ,その
ためコイル内には誘導電場が
ループ状に生じる。これがコ
イルに生じる起電力の原因に
なる。ムが振動を始めると,
それに伴いコイル内を貫く磁
場は向きと大き道面
「P+cv-一定」より +0-0+c
L+0=0+-CV
6=l/-
スイッチを開いた瞬間のコンデンサーの
電圧は0であり, 時間がたつと電圧計の+
端子側の電位が下がるから, そのグラフの
既形は -sin 型である。
よって,求める関数は
よって
Vo
0
T
横から」
一初めに
発生したB
B
B
B
L
-sin
~E
EU
コイルを貫く磁場が振
して変化すると,その
0=1
t=3
T初めのE
t=T
上から