物理
高校生
解決済み

赤でマーカーを引いているところの考え方が分かりません
というかそもそもエネルギーと仕事の関係性がよく分からないです

105. 保存カ以外の力の仕事●図のように床と斜面 がつながれている。床の AB間はあらいが,他はなめら かである。床の一部分にばね定数kのばねをつけ, 一端 Lわ に質量mの物体を押しあてて, ばねを1縮めた。 AB間 の物体と床との間の動摩擦係数をμ', 距離を S, 重力加速度の大きさをgとする。 (1)ばねを解放したとき,物体が点Aに達する直前の速さ ひA を求めよ。 (2)物体は点Bを通過後,斜面を上り, 最高点Cに達した。Cの床からの高さんを求めよ。 (3)もどってきた物体がばねを縮めた。ばねの最大の縮みxを求めよ。 例題24,108,109 (2)垂直抗力の大きさをNとすると, AB間で物体 にはたらく力は図のようになる。 鉛直方向のカ のつりあいより N=mg であるから, 物体に はたらく動摩擦力の大きさは 'N=μ'mg 動摩擦力は物体の運動の向きと逆向きにはたら くので, AB間で動摩擦力がした仕事Wは負となり N HN A B 107 mg S W=-μ'mgS はじめの状態から点Cで速さが0になるまでの力学的エネルギーの変化 は,動摩擦力がした仕事Wに等しいので ロ P+(-μmos)= (はじめ+仕事=終わり)と してもよい。 解 合 mgh--k=-μmgS" mgh=APードmg 2 kl° 2mg よって h= - pe'S

回答

✨ ベストアンサー ✨

力学系において、全ての議論は運動方程式から始まります。ですから、「仕事とエネルギーの関係」というのは、実は運動方程式から出てくるものなのです。運動方程式は既に習ったことでしょう。

さて、古典物理学のゴールは、「ある物体の運動を知ること」であり、これは「ある物体の、あらゆる時刻での位置rをtの関数として書ける」ことと等しいです。もっといえば、1次元運動で「最初は原点にいて、3秒後には3mのところにいて、5秒後には5mのところにいて……」といった情報が分かれば、たとえば100秒だったら100mのところにいると考えられるでしょう。これが古典物理学の基本思想です(時間tが絶対時間となっているのは、相対論では修正されますが、ここでは無視することとします)。

ところで、速度v、加速度aというのは位置rをそれぞれtで1回、2回と微分をしたものですから、逆に加速度aから位置rを求めたければ、2回積分が必要です。運動方程式は、ma=Fの形で書かれていますから、これを2回積分することによって、rをtで表現できるわけです(ここでは、ひとまず微分と積分が逆の関係だと思っておいてください。本当はそれすら導かれる定理であって、本来は別物なのですが……)。

ところが、一般に加速度aがtの関数系として複雑だと、積分するのがとてつもなく大変だったり、そもそも関数として表せずに積分できないなどということもあります。また、場合によっては、わざわざ2回積分して全ての情報を得る必要もないことだってあるでしょう。ですから、運動方程式を2回積分して得られる「完全情報」に対し、運動方程式を1回積分して得られる「部分情報」で現象を見ることもあります。そして、これは構造的に3種類あることがわかります(ここでは省略します)。それが、「運動量と力積の関係」、「運動エネルギーと仕事の関係」、「角運動量と力のモーメントの関係」です。

今見てきたように、ma=Fに、ある処理をする(細かい話をすれば、vとの内積をとってから積分する)と、(1/2 m v^2の差)=(F・drの足し集め=積分)という形になり、「運動エネルギーと仕事の関係」が導かれます。

guest

ところが、これを先に移項してから同じ処理をするとどうでしょう(細かく言えば、こんどは定積分ではなく不定積分をするのですが)?ma-F=0ですから、(1/2 m v^2)-(F・drの不定積分)=c(定数:0の積分なので初期条件によって決まる値)となり、cは一定の値であることが分かります。そこで、便宜上、とりあえず「-(F・drの不定積分)」という項全体を「位置エネルギー」と呼んであげることにすれば、「運動エネルギーと位置エネルギーを足したものは一定である」と考えられることになります。これが力学的エネルギー保存則です。つまり、力学的エネルギー保存則とは、本質的には運動エネルギーと仕事の関係と変わらないのです(厳密に保存力や位置エネルギーの話をすれば、ただ単に仕事にマイナスをつけたものという認識ではないのですが、ここでは割愛します)。

ところが、一般に「どんな動き方をしたかによって、積分した時の関数系が変わってしまう」ようなものは「○○エネルギー」とは呼びません。たとえば、重力はどんな動き方をしたとしても関数系は変わりませんから、「重力による位置エネルギー」として考えますし、弾性力も同様に「弾性力による位置エネルギー」として「弾性エネルギー」と呼ばれます。しかし、摩擦力はそうはいかず、「形式上、摩擦力によるエネルギーに対応する項」ではあるものの、名前はありません。

そして、力学的エネルギー保存則の観点からこれを見ると、摩擦力のエネルギーに対応する項だけは保存しない訳ですから、たとえば(運動エネルギー)+(摩擦力以外の力に関する位置エネルギー)=(一定値)+(よくわからない、摩擦力のエネルギーに対応する項)と変形することが出来るでしょう。これを時間的に2点t=t1、t2のそれぞれで関係性が成り立つことから、それらで差し引いてあげれば

guest

赤マーカーの質問部分をそのまま語る式が即座に導けるはずです。どうでしょうか?なかなか複雑な議論なように思いますが、よく考えてみれば案外簡単なのですよ。

ぽよ

丁寧に回答してくださってありがとうございます…!
私の理解力が無さすぎて重ねて質問したいのですが、初めからA地点までは弾性エネルギー?がそのまま運動エネルギーに変わっている(力学的エネルギーは保存されている)、B地点からC地点までも運動エネルギーが位置エネルギーにそのまま変わっている(力学的エネルギーは保存)。けどAB間においては摩擦力がはたらいていて、摩擦力は非保存力だから力学的エネルギーも保存されていない、よって結果的に初めからC地点まででは摩擦力の仕事だけをエネルギーの変化量?として捉えるってことですか、、??

guest

この辺りの抽象的議論はいきなり理解するのはなかなかにハードルが高いですから、何も気にすることはありません。
結果的に言えば、仰る通りのことになります。
より細かく言えば、このように考えれば納得できるでしょうか。

力学的エネルギーについて考えます。次の点での力学的エネルギーは、その点における力を考えると、以下のようになります

はじめ(バネを解放する前):
(運動エネルギー=運動していないので0)+(弾性エネルギー=弾性力による位置エネルギー、ばね定数kで縮みはl(エル)なので1/2 kl^2)+(重力による位置エネルギー=この面を基準とすれば、0)=1/2 kl^2
(弾性エネルギーは弾性力による位置エネルギーですから、バネでの伸び縮みのない場所を基準点として、そこからどれだけ伸びや縮みがあるかで決まります。また、摩擦力はここでは働いていませんから、敢えて書いていません)

A点

guest

A点、B点、C点でも同様に考えると、以下のようなことが言えるでしょう
はじめ~A点:弾性エネルギーの一部または全部が、運動エネルギーに変換された
A点~B点:弾性エネルギーがまだ残っていた場合などは、具体的な運動エネルギーの把握は一概には言えず、困難です。しかし、摩擦力が働いていることに注意しなければなりません。

B点~C点:高くなっていく分、運動エネルギーが重力による位置エネルギーに転嫁されます。そして、最高点に達した時、すべての運動エネルギーが位置エネルギーに変換されており、運動は止まります。

これをみると、はじめ~A点、B点~C点間では、保存力のみが働くので、いわゆる力学的エネルギー保存則が成り立っていることは分かるでしょう(本当はよく考えれば全体としてもう少し言えるのですが)。
(注意として、上であえて地点ごとのエネルギーの形で議論したのは、運動エネルギー変化と仕事、および力学的エネルギーに関する議論では、各地点における議論で考えることが多いからです)

そこで、(はじめの力学的エネルギーの和)=1/2 kl^2=(A地点での力学的エネルギーの和)、および、(B地点での力学的エネルギーの和)=(C地点での力学的エネルギーの和)=mghは言えます。

ところが、A地点~B地点では、非保存力である摩擦力に対応する項を考えれば、
(A地点での力学的エネルギーの和)=(B地点の力学的エネルギーの和)+(動摩擦力に関する、エネルギーに対応する項)とすれば一定で、この関係式は成り立つのです。
ですから、これらより(はじめの力学的エネルギー)

guest

(はじめの力学的エネルギー)=(C点での力学的エネルギー)+(動摩擦力のエネルギーに対応する項)
(C点での力学的エネルギー)-(はじめの力学的エネルギー)=-(動摩擦力のエネルギー相当項)=(動摩擦力のした仕事)
となるわけです。

ただ、慣れてきたらふつうは4つ全てをいきなり等号で結んでしまっても良いでしょう(動摩擦力のエネルギー相当項も合わせて考えれば、本問の力学的エネルギーの総和は常に一定となるのです)
つまり、(はじめの力学的エネルギー)=(A点での力学的エネルギー)=(B点での力学的エネルギー)+(AB間の動摩擦力のエネルギー相当項)=(C点での力学的エネルギー)+(AB間の動摩擦力のエネルギー相当項)
とすれば、答えはすぐに出てくるということになるでしょう。

ぽよ

何度も質問してしまってすみませんでした🙇🏻‍♀️💦 とても分かりやすかったです、ありがとうございました!!

guest

解決したようで何よりです!この辺りは本当に最初のうちは混乱しますから、どうか質問することを躊躇わないでください!そして、慌てず騒がず、1歩ずつ着実に理解していけば、きっとその実力は確固たるものとなり、どんな難問もスラスラと解けるようになることでしょう。頑張ってください!

ぽよ

わぁありがとうございます😭😭
少しでも出来るようにするために頑張ります!
解説とても分かりやすかったのでフォローさせて頂きます👏

guest

フォローありがとうございます!フォロバしました!
数学が苦手とのことでしたので、将来理系に進まれるか文系に進まれるかは分かりませんが、もし万が一上述のような説明にご興味がありましたら、受験参考書の範囲では「新・物理入門」(駿台文庫、山本義隆・著)や「理論物理への道標(上下)」(河合出版、杉山忠男・著)あたりをあたってみるとよいかもしれません!ただし、基本的に扱う微分積分は高校三年生以上の、がっつり理系の範囲の数学ですから、文系に進まれる予定でしたらコスパ面からはあまりオススメできませんが……。
頑張ってください!

ぽよ

わざわざおすすめの参考書までありがとうございます!私は行きたい学部的に文系を選択したのですが志望している大学は2次で数学が必要になってくるので苦手を克服しないといけなくて、、笑 高校では物理基礎までしかやらないので3年間のうちに独学で物理を勉強することはないと思いますが、いつか物理を習得したくなった時に参考にさせていただきますね、!😂
とりあえず高1のうちは物理基礎が必修なので頑張ります🔥

guest

高一の数学でしたか!今から志望校を見据えていて凄いですね!
数学についても同様にしっかりと学びたければ、長岡亮介の「総合的研究」(旺文社)か清史弘の「Plus Elite」(駿台文庫)あたりは、教科書の内容だけでなく、本質が書かれているのでおすすめです!頑張ってくださいね〜

この回答にコメントする

回答

エネルギーと仕事の関係は
初めのエネルギー+仕事=後のエネルギーで考えるとわかりやすいと思うよ。
力学的エネルギーの差が仕事とイコールの関係になる!
そのマーカー部分がわかりずらいなら、今書いた式に代入していったら式から意味がわかると思うよ!

ぽよ

力学的エネルギーと仕事の関係性は分かったんですけど、初めからC地点までの仕事は動摩擦力の仕事だけってことですよね?それがよく分からないです、、

こここ

仕事ってゆうのは非保存力に分類されるねん!
保存力と非保存力の違いを自分で調べたほうが絶対理解深まるから、一回その違いを調べて、仕事ってなんや?って理解したほうがいいかも!
動摩擦力を受けてるのはa〜bの間受けてるからそこで受けてる分が全力学的エネルギーを減らしてるってことになる

ぽよ

ありがとうございます

この回答にコメントする
疑問は解決しましたか?