朝鮮通信使は正式名称を朝鮮聘礼使(へいれいし)と言いますが、この文字を見ればわかる通り日本の将軍に対して朝鮮の使節は事実上の朝貢形式をとっていました。室町時代に最初に来日した使節団は当時の将軍からの国書への返答という形でしたが、江戸時代には日本、特に使節を受ける将軍の権威のために利用されました。
琉球使節についても,彼らが来国すると江戸上りと呼ばれる一種のセレモニーが施されたのです。これにより民衆に対して、琉球支配を押し出した薩摩藩や、使節受け入れを大々的に行った幕府の権威が高まりました。朝鮮は日本との国交のため、琉球は薩摩藩による半強制により使節を派遣しました。
以上から表面の目的は将軍の代替わりの挨拶、国王の即位の挨拶などがそれです。しかし実際には幕藩体制における権力機構の権威を高めることに利用されました。