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|線3「知の模様」とありますが、グローバルスタディーズにお ける「知の模様」とはどういうものですか。八十字以内で書きなさい。 日
表現力 UP(1) 説明的文章 はたしてどういうことなのか。あるいは、知識が捉えているはずのもの 経済。という現象がヨーロッパて重要なものとして浮かび上がってき s というものがあるのか、そういうものがあるというのは、どういうこと ました なのか……。 当時のヨーロッパては、さまざまな物をつくって売り、あるいは市場 て物が売り買いされ、利潤を得て、B_その利潤調を回し、これをさま ざまなかたちで使うという活動が重要になってきました。経済学という のは、このような活動が市場をとおしてどのように機能するのかといっ 8 たことを研究する学間として生まれてきたのです 同じことは理科系の学問でも言えます。例えば電気という現象が発見 されると、それを対象としたひとつの研究領域がてきる。あるいは、こ そういったことを考えても、これはなにかに直接役に立つ知識にはな りません。役に立たないし、特定の対象や、確かに手でつかまえられる ような対象はないのですが、しかし逆に言えば、あらゆる知識が成り立s つもとを確かめたり、根拠を探るような働きともなるのです。 もう少し別の面から説明してみましょう。中学や高校の勉強は、いく つもの科目に分かれていて、それぞれの科目ては、互いに領域の異なる ちらの方が先てすが、物質や重さ、質量といったものの働き、さらにそ」 ことを勉強しています。そのため、勉強したことは一見するとバラバラ の成り立ちがどうなっているのかということを研究するのが、すなわち 8 c 化学反応といったレベルで起こる事象 な知識ということになります。 S ~ 物理学となります。また、 例えば、数学で習うテイギと、世界史で習う歴史の出来事とは、互い にバラバラです。中学、高校では、そういうふうにしてそれぞれ分け 対象がある知識を修得しているわけてす を対象としたものが「化学」という学間になるわけです。 このように、あらゆる学間には扱う対象があります。その対象に関わ の。 る領域、それがひとつの学間の領域になります。 D学間というのは、兆本的に「知る」という在り方に対応して形 しかし、習った知識は一見バラバラですが、それらの知識のダンペン を例えばセルロイドの板の上に撒いてやるとどうでしょう。ひとつひと 3 つの知識を鉄粉だと仮定し、そのパラバラの鉄粉をセルロイド板の上に 撒いてやるわけてす 成され、必ずその対象があり、対象域にキテイされて一つの学問とし て、体系として成立方るものです ところが、哲学という学問には特定の対象がありません。対象がない 鉄粉はパラバラですが、下から磁石を近づけるとどうなるか、そんな というよりは、口E 対象を限定しない、と言ったほうがいいてしょう 実験をしたことがあるでしょう。パラバラだった鉄粉はみごとな模様を 学問というのは、前述したように「ものを知る」ということで、「知s 描きます。規則正しい模様、あるいは今までバラバラだった鉄粉が、あ る」ということには、必ず知る対象があります。では、対象がない「知 るサヨウを受けて、ひとつの秩序を描き出す る」というのは、どういうことなのか?あるいは、それはどうやって 鉄粉にそのような模様を描き出させるのは磁石ですが、その磁石の役 表現できるのか。そういうことが可能なのか、あるいは「知る」という 割をはたすのが、簡単に言えば「考える力」というものなのです。 考え る力が、バラバラな知識を大きな模様に変えて、ひとつの世界を描き出 2 こと、それによって何か知識が生まれ、その知識があるということは、
文的限 ()qu 8 す。 そのような「考える力」を磨くのが、言ってみれば哲学の役割です グローバルスタディーズというのも、歴史的な知識や政治的な知識、 あるいは経済的な知識、法律的な知識、さらにもっと個人的な精神分析」 の知識など、さまざまなものを集め、これをある磁力に感応させること で、ひとつの 知の模様,を描き出そうとする試みです。そしてこのグ 8 ローバル世界の中で、われわれはどういう条件のもとに生きているの か、ここで人が生きるということはどういうことなのかを総合的に考え るのが、グローバルスタディーズという学問なのです。 にした! おさ 《西谷修「私たちはどこにいるのか? ー哲学入門」より 本文を改めたところがある〉 (注)カント=ドイツの哲学者(一七二四~一八〇四)。 セルロイド= 半透明のプラスチック。

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