の1 流れの運動学
8
1
= (u.V)u
U
のようにして得られた. 記号▽はナブラ (nabla) とよみ
0
鶏分(1.14)
0
マ= e』
+ ey
Oy
0z
のように定義される演算子 (operator) であるす. ea, ey. Ez はそれぞれ』軸,
軸,2軸の正の向きに向かう単位ベクトル (unit vector) で, これらを基本ベク
トル (fundamental unit vector)という。
式(1.12) の両辺を At でわって, At →0 の極限をとると,流体粒子の受け
る加速度a(z,t) を求めることができ
に
Au
a(x, t) = lim
+ (u-V) u(z, t)
At→0 At
Ot
D
-u(x,t)
Dt
となる.ただし
D
+u.V
Ot
Dt
で,D/Dt をラグランジュ微分 (Lagrangian derivative),あるいは実質微
分(substantial derivative), あるいは物質微分 (material derivative) という。
Du/Dt= Ou/0t+ (u.V)uの右辺第1項は, 流体中のある点aをつぎつぎと
通過する流体粒子の速度の時間的変化の割合を表しており,局所加速度 (local
acceleration) とよばれている. また第2項は,点cにある流体粒子がある瞬間
にその前後の流体粒子の速度差のために受ける速度の時間的変化割合で対流加
速度 (convective acceleration) とよばれている。
ラグランジュ微分 D/Dtは, オイラーの方法の意味で »とtの関数として表
された量,すなわち 「場の量」に対してのみ作用させることができる. なぜな
ら,その定義式(1.16) の右辺は, 独立変数を αとtとするときの偏微分0/0tと
▽によって構成されているからである. aとtの任意関数 f(z,t) のラグラン
ジュ微分は,式(1.15) を導いた過程から理解できるように, 流れに伴う f(x.t)
の時間的変化の割合,すなわち, 流体粒子の軌跡に沿っての f(z,t) の時間的変
化の割合を表す。
十演算子▽をスカラー関数f(a)に作用させて得られるVfは, f の勾配 (gradient) とよばれ
る。▽をスカラー関数に作用させたときは▽の代わりに grad という記号を使ってもよい。す
なわち, ▽f=gradf. 後に述べるように, ▽をベクトルとみなしてベクトル関数に作用させ
る(内積をとる)ときは, 記号 gradは使わない、ただし、式(1.13) の▽は grad を使って書
くことができる。
1.4 流れに伴う流体の加速度
「例題 1.2] 図1.6に示すような円すい形の管
の頂点から水がわき出ている。 頂点を原点と
して半径rの位置における半径方向の水の速
9
度Ur が
エ
C
Ur =
r2
で与えられているとき,任意の位置における
流体の加速度の2,y 成分を求めよ.ただしc
は正の定数である。
「解] このような流れはx軸を通るどの平面上でもまったく同じ状態である.頂点から
半径rの点の座標を (エ,y) とし, rとの軸のなす角を0とする. この点での速度のr,y
成分をそれぞれ u, ひとすると
図 1.6 円すい形管内の定常流れ
C
Cos 0 =
r2
u= Ur COs 0 =
CC
r3
C
sin 0 =
r2
0= Ur Sin 0 =
Cy
r3
となる。Ou/Ot = 0, du/8t = 0であるから,z, y 方向の加速度Du/Dt. Du|Dtはつ
ぎのようになる。
Du
Ou
Ou
3cg?
2c°
CC
3cry
75
C
= U
+u
Cy
Dt
Oy
r3
r3
75
73
76
O0
Ov
+u
Oy
2c°y
Du
3cry
ecy?
CD
Cy
C
=U
Dt
y3
r5
73
75
r6
さらに,流れの性質について調べてみよう. 流線は上の結果より
d
C/p3
dy
ニ
Cy/r3
で表され,これを積分すると
log y = log z+logC
.y= Ca
2bm
となる。ただしCは積分定数である。 α=rcosθ, y=rsin0であるから, 積分定数C
はC= tan0 となり,流線はつぎの式で表される。
.y=etan0
すなわち,流線は頂点を通る任意の直線であることがわかる。
また,ある流線に沿って流れの加速度を求めると
dur
2c°
Dur
= Ur
Dt
dr
75
ロ
こなり,これのz,y成分は上で求めた Du/Dt, Du/Dtである。
ありがとうございます。
これはどのような変数変換なのでしょうか?