現代文
高校生

『脳と仮想』の問題です。
急いでお願いしたいです。
よろしくお願い致します。

地では、サンタクロースという仮想の持つ切実さには届かない。サンタクロースは、決して現実化されない仮想で あるからこそ切実である。でっぶりと太った人、橿の地球上の位置といった手で触れることのできる現実、すなわ ち、経験科学がとらえる客観的世界の中に転化された瞬間、サンタクロースは陳腐な 近代の科学は、「今、ここ」の現実の変化をもたらす要因(因果律)を明らかにしてきた 今、ここ」に様々な形で存在する物質がどのように変化するかを予言するためには、物質の間にはたらいている 力がどのようなものであるかということを調べれば良い。ニュートンの発見した「万有引力」は、そのような力の 10である。 に変わってしまう 力は、必ず接触したものどうしの間で働くことが判っている。重力や電磁気力のように、一見離れたものどうし が力を及ぼしあっているように見える場合にも、必ず、媒介している粒子と物質が接触するという形で力が働く。 違く離れたもの、既に過去のものになったもの、はるか未来の事柄が、「今、ここ」の現実に影響を及ぼすことは ない。だから、「今、ここ」の現実の変化の様子を予言するためには、「今、ここ」の近くのものの様子を摺んでお けば良い。 このような、近代の科学における大前提は、「°局所的因果律」と呼ばれる。局所的因果律を前提にして、科学 は「今、ここ」の現実が変化する際の法則を明らかにしてきたのである。 局所的因果律は、物質の変化の様子を予言したりという科学の営みや、様々な部品を組み合わせて機械をつくっ たりという工学の営みにおいては、きわめて有効な概念になってきた 「今、ここ」の様子に、時間的にも空間的にも遠く離れたものがいきなり影響を及ぼしてしまっては、安心して予 言はできない。氷を暖めると水になるという現象が、「今、ここ」の因果律の働き合いだけで決まるからこそ、安 心して相転移の理論をつくることができる。「今、ここ」で氷を暖めたら果たして水になるかどうかが、一千年前一
のある川の流れに熊が飛び込んだかどうかに影響されるというのでは、科学の予言など成り立たない。 飛行機がちゃんと飛ぶかどうかは、その飛行機の「今、ここ」における局所的因果律の働きだけで決まる。だか らこそ、エンジニアは、空を飛ぶ鋼鉄のかたまりを設計するという一見不可能にも思われるようなメイギョウをな すことができる。遠く離れた山の中で石が転がったことが即飛行機の墜落につながるというのでは、そもそも航空 力学など不可能になってしまう 現実の物質に変化を与える力を及ぼすのは、現実の物質だけである。だからこそ、近代科学は、現実にしか興 味を持たない。現実のうちでも、「今、ここ」の現実にしか興味を持たない 遠くはなれた現実や、はるか過去の現実は、この世界の時空の成り立ちの中で、局所的因果律を で、はじめて「今、ここ」の現実に影響を及ぼす資格を持つ。 現実でさえ、「今、ここ」の近くになければ、影響を及ばすことはできない。ましてや、現実のどこにもない仮 想など、「今、ここ」の現実には何の影響も及ぼすことはない。。仮想の価値が、近代科学の下で暴落したのも当然 のことであった。 S重ねること 科学の誕生前には、仮想の価値はおそらく高かった。人々は、何かを思うということ自体に、現実を変える力が あると思っていた。仮想の世界の中で、現実とは独立した行き交いがあると考えていた。 日照りが続く時に、雨乞いをするのも、仮想の世界が現実に影響を及ばすと信じてこそであった。ある人を憎み、 のろいの儀式をするのも、仮想の力を信じてのことだった。 今日の私たちも、受験の前に神社に祈願したり、宝くじを買う時に、験を担いだりはする。しかし、そのような 行為をする気持ちには、どこか中途半端なところがある。何かを思うこと自体が現実を変える力を持つということ を本気で信じていた時代の人々の世界観を、私たちはもはや想像するしかない
傍線部C「局所的因果律」とはどのような考え方のことか。傍線部Cよりも後にある文中の語句を使っ て、三十1字以上四十字以内で「…という考え方」の形で書きなさい。句読点も字数に含む。

回答

まだ回答がありません。

疑問は解決しましたか?