回答

ある人が寺に参って「長老様はいますか」と聞くと、(寺の者は)「お留守です」と言った。(ある人は)「遠くから来たというのに残念な事だ」と言って、しばらく(寺で)休んでいたところ、『今はちょうどタケノコの(旬の)頃合だな』と思って藪の中を(タケノコを探し)覗き回っていると、(藪の中で)長老様が立派な雁の毛を抜いていらっしゃった。ある人はゆっくりと傍に近付き、(長老の)お見舞いに来ましたと声をかけると、長老はびっくりして「この鳥の毛を枕に入れますと、痛風の薬になると(世間で)言いますので、このようにしているのですが、どうしても(上手くいかず)、手慣れない事は(簡単に)出来ないものです」と仰った。ある人はそれを聞いて「雁の毛を抜くのは簡単なことです。こちらへ下さい。」と言って、(雁を)くるくると引きむしって毛を押し寄せて(毛を抜いて)「雁の身は長老様は要らないですね(だから私が貰います)」と言って、そのまま持って帰り、おいしく頂いたとさ。

※長老が皆に隠れて雁をこっそり食べようとしていた所を見つかってしまい、咄嗟に言い訳したら逆にその言い訳を利用されて、ご馳走を逃してしまったというお話です。

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